REBORN!
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愁は師匠に憧れていた。
女性でありながら男性にも負けないその強さ、繰り出す技の美しさ全てに憧れた。
「さて、愁、君に話さなければいけないことがある」
「あの手紙を書いた……俺の母親って名乗る人ですか?」
「ああ…実はもう呼んでここに来て貰っている」
「誰もいないじゃないですか………まさか…!」
愁は自分の師匠を見た。
「ええ。
黙っていてごめんなさいね愁。
私があなたの母よ」
「そんな……!!
だって師匠には娘さんがいるはず!
それに俺が師匠の子供っていう証拠は!?」
師匠は目をつぶり呼吸をゆっくりした。
「私の名前は空野駆《かける》そして9代目空野家頭首よ。
そして空野家の力を継ぐ者には印があるの残念ながら愁、あなたの妹にはそれがないの。
愁、あなたにその印があるの」
愁は口の中が乾く感じがした。
「……印ってどんなのですか?」
「へその隣に三日月型の痣が印よ」
愁は自分の心音が大きく鳴ったように聞こえた。
そう、愁には生まれたときからへその横に三日月型の痣があってずっと疑問に思っていた。
どうやったらこんな痣が出来るのだろう……と。
「……嘘だ…」
「嘘じゃないわ愁。
ずっと黙っていてごめんなさい」
「……なら……なんで今さら母親と名乗ったのですか?」
「それは……」
師匠、いや空野駆は口を開きかけてまた閉じた。
迷っているようだ。
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