蒼穹綺譚
4
コーヒー片手に、私の隣りに座る。
「ええ。神父様や審問官には内緒だよ?」
ディートリッヒは「もちろん」て言うように微笑む
「大丈夫ですよ。春華。貴女が危険になることはしませんから。」
出会った時から全く変わらない魔術師のセリフ。
あれから何年経ったっけ??
覚えてないや。
色々あって、今の私は、異端審問局に勤ている。
けれども…世界の敵にもなってしまっている。
全ては巡り合わせ。
私はそう思っている。
『Wir sind nichts.Was wir suchen,ist alles.』
カインがイザークと一緒にいる時に言った言葉。
『我は何も必要としない、ゆえに総てを必要とする』
独語で、確か作者はヘルダーリン。
あまり詳しくは知らないが…。
ひとが真面目に考え事をしてる時に……
ふと、ディートリッヒが勝手に膝枕をしてきた。
ちょっと重い。
でも、ディートリッヒは気持ち良さそう。
微妙………。
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