蒼穹綺譚
4
「また、この首輪を付けなきゃね。声帯が圧迫され続けたら痛いかと思ってはずしたけど…取る必要なかったみたいだね。」
かちゃかちゃと、首輪を付けようとする貴方。
貴方は束縛が愛だと言う。
全てを奪い、閉じ込めるのが“愛”だと。
身体の自由を奪われても、声を奪われても、愛した人達を全て奪われても、私は認めない。
「そんなの…“愛”…なん…かじゃ…ない…エゴよ…」
人形使い[アナタ]の創った空間[ステージ]で、歪んだ愛に抱[イダ]かれる操り人形[ワタシ]。
「そうかもね。でも、僕はこんな愛し方しか知らないから。」
もしも…想いがあるならば…
人形使いと操り人形の間に、絆という“糸”があるならば…
それは破滅への導[シルベ]である“憎しみ”で造られていることだろう…。
だって貴方の“愛”は…
憎しみからきてるから。
貴方は人を信じれないから。
貴方は素直になれないから。
貴方の心は安らがないから。
貴方は純粋に愛されたことがないから。
愛することを理解できない。
なら、私からのささやかな復讐は、貴方に私の“愛”を与えないことかもしれない…。
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