蒼穹綺譚
3
「…キラ…イ…よ…」
「だろうね。僕は春華のことを、こんなに愛してるのに。なんでそんなに僕を嫌うの?」
一筋の紅涙が伝う。
君なりの最後の抵抗。
躯を奪われても、心だけは渡さないと。
こんなに愛してるのに…
愛してるのにから閉じ込めたのに…
愛してるから……
愛してるからこそ…
誰にも奪われないように
汚されないように
僕だけの“人形”にしたのに
「貴…方は…可哀想……な…人…形使い…。愛…し方を…知らない…憐…れな…子供……」
君の可愛らしい口が紡ぐのは呪わしい言霊。
「…綺麗な声だから奪いたくないんだけど?」
僕が【憐れな子供】だって?
じゃあ、君の言う【愛し方】って何?
君をこんなに愛してるから、全てを欲したのに?
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