蒼穹綺譚
6
あぁ…彼女の言いたい事が予想できてしまう。
イワナイで。
イカナイで。
際限のない
孤独はイヤ。
「“化け物”なんかに…カインはならないで。」
悲しそうに言いながら、君の身体が闇夜にとけてゆく。
「君はやっぱり“胡蝶”なのか?胡蝶のように儚い君も…。人のように強い君も愛してたのに。同じなのに…別々なのか?」
返答はない。
僕だって、取り返しの付かないとこまで来てるよ?
それでもなお、僕に“人”であることを求めるの?
「君が奪われたら…僕はさらに世界を怨むよ。だって僕は…“クルースニク”。呪われたって良い。世界の敵で良い。化け物だってかまわない!」
僕の声は無情に響く。
春華の残像だけが虚しく残る。
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