蒼穹綺譚
2
「あなたは世界を愛してないもの。カインの本来持っていた、長年隠し通されてきた強い憎しみと、クルースニクによる強い破壊衝動…。」
過去を知る君は淡々と事実を並べていく。
「カインは…真っ白にしたいだけでしょ?汚れきった青き星を破壊し尽くして…最後に何が残るの?」
「春華…僕は」
春華は僕の言葉を待っている。
汚れなんか無縁そうな微笑。
君が望む言葉は知っている。
知っているが故に辛い。
「…僕は“クルースニク”…。僕は何も必要としないモノ。そしてそれゆえに、すべてを必要としているもの、だ。全て滅ぼすしかないんだよ。そこがたとえ真っ白な世界でも。でも…最後には何も残らないよ。」
悲しげに目を細めた君は…泣きそうにもみえた。
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