蒼穹綺譚
1
昔、荘周は夢で蝶になった。
ひらひらとして、胡蝶そのものであった。
自然と楽しくなり、気持ちがのびのびしたことだった。
自分が荘周であることは、わからなくなっていた。
にわかに目覚めると、なんと自分は荘周であった。
荘周の夢で蝶になったのか、蝶の夢で荘周になったのかはわからない。
しかし、荘周と胡蝶とには、間違いなく区別があるはずである。
こういうのを、「物化」というのである。
†胡蝶の夢†
『ひらひら舞う蝶は、優雅に飛んでいて、汚れなんか知らない。』
「ねぇ、カイン。私はあなたと一緒にはいれないわ。」
春華は、薔薇十字騎士団をイザークと共に乗っ取り、基盤を直し終えてから…僕に言った。
「あなたは世界を憎んでる。私も世界を憎んでる…けど…。」
君は僕に一緒にはいれない理由[ワケ]を言う。
夕闇が迫る海を見ながら、慈母のような微笑みをたたえて…。
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