夢路綺譚
2
どうして彼らがいるのか…?
神はそこまで私に過酷な試練を科したいのか?
否、悪魔の悪戯か?
「ちょっとリーシャ。何、固まってんのさ?僕らがいることがそんなに意外?」
いやいや、それ以前の問題でしょ?人形使い殿。
二日前のことも忘れる程物忘れが激しくなったのか?
「それ以前の問題でしょ?」
「いきなり声をかけてすみませんね。リーシャ。ところでそちらに座ってもよろしいですか?」
依然、紳士のような振る舞いで聞いて来る。
ディートリッヒは何のためらいもなく隣りに座りましたよ?
「自由席なんだからお好きに。人形使い殿はすでにおかけですよ?魔術師殿。」
「ねぇ…何でそんなに他人行儀な訳?まだ機嫌悪いの?」
天使のような顔で、小首を傾げながら困ったように問う。
可愛いからと何度許してしまった事か…
過去の忌まわしい記憶を、頭を軽く振って記憶の隅に追いやる。
「怒ってるも何も…私は騎士団に対して、敵対してる派遣執行官なんですけど?」
「つれないなぁ。何で冷たくなっちゃった訳?リーシャ。最近ずっとかまってくれないからさ、寂しくなった僕は前回の時に、大量に人形置いて帰っちゃったよ。」
溜め息を付きつつ、彼は肩を軽く竦[スク]めて見せる。
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