夢路綺譚
アッシジに眠る天使
…………………?
隣りでスヤスヤと眠る
天使の美貌を持った青年が一人。
何故隣りにいるのかを、鳶色のさらさらした髪を撫でながら、事の経緯を思い出す。
………………寝起きなせいか中々思い出せない………………?
あ…、そうか。やっと思い出した。
昨日一緒に寝たんだっけ…。
‐朝8時‐
「ん……?」
人肌が恋しいのか…?
ずっと私を抱き寄せたまま眠っていたらしい彼は、上半身を起こした私を、無意識ながら、手をゆっくりと動かして求めていた。
寝ている彼は無防備で、とても可愛いのだけれど、目覚めるまでなのが少し残念だと思う。
「ディート…朝だよ。」
髪を梳きながら声を掛ける。
が…それが逆効果を発揮するのか目覚めない。
「ディートリッヒ?起きないの?」
繰り返し声をかけても無駄だったので、諦めて真新しい白いシスター服に着替える。
今日は、異端審問官ブラザーバルトロマイに会うから普段着では行けなかった。
なのでシスター服なんだけど、久しぶり過ぎたために新しいのをパウラから渡された。
昔もらったのは、多分クローゼットの中。
年に数回しか着ない為にこんな感じで貯まっていく。
色々な場所に保管されてはいるが、長年の積み重ねで、既に10着以上は持っていたと思う…。
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