夢路綺譚
2
「…まぁ、確かに誰かさんの人形よりはマシだけどね。でもね、消しちゃう訳にいかないから、かなり面倒な事になるんだけど…」
「誰かさんって誰さ?ハル、まだ根に持ってるでしょ?早く忘れてよ。」
「人形使いが春華に対して、あんなに人形を差し向けるから悪いんですよ。」
イザークが珍しく普通に反論している…。
明日は雨だろうか?
「そうよ。マタイの方は異端組織を煽動して使ったくせに。」
ディートリッヒはその言葉に、少々(?)不満気にしている。
「でもさ、プランの骨組み決めたのはイザークだよ?何で僕だけ根に持たれるわけ?僕のこと嫌いなの?」
イザーク…。確信犯ですか?
私がディートにしか言わないの知っててやってるでしょ?
「…ディートリッヒの方が言いやすいからよ。多分。でも実行したのはディートだから問題ないわ。嫌いじゃないし。」
「ふーん。まぁ、いいや。僕なこと好きみたいだし。ああ、そういえば…」
ディートリッヒは何かを思い出したように言う。
「今日ってもちろん泊まっていくよね?」
にこやかに聞く内容なの?っていうか、忘れてたのはそれですか…?人形使い殿。
「もちろんですよ。人形使い。春華はこの部屋に滞在予定になってますよ。」
何か勝手に決まってるし…。
私の意見は無視ですか?
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