夢路綺譚
ホテルにて
‐アッシジ‐
「……………?」
オカシイ
絶対オカシイ
どう頑張って数え直してみても…
異端審問局員の数が尋常じゃない。
「ねぇ。ハル?どう数えても二個中隊はいるよ?」
「ええ、そうですよ…春華。それより危ないですよ。テラスから身を乗り出してしまうのは…。」
保護者か…?と思いたくなる程に妙な所に気を使うイザーク。
「さすがに落ちないけど…?っていうか何であんなに多いわけ?異端審問局は…。AXはトレスしか派遣してないのに…。」
ぼやきながら隣りを見やれば、ディートリッヒが双眼鏡をクルクル回しながら欠伸をしている。
……欠伸すらサマになるってのは反則じゃない…?可愛いんだけど。
「別に良くない?あんなのが普段より多くいたってさ。」
飽きたとばかりに双眼鏡を置きエスプレッソを飲んでいる。
イザークは新聞をみつつ片手にワイングラス…。
黙っておとなしければ絵になるのに…と思ってみたりする。
ちなみに、現在私たちはホテルの最上階に位置するスイートルームにいる。最上階全てでワンフロアとカウントされているようだが、小部屋の数が半端じゃなかったりする。
ベッドルームだけでも3部屋あるし、シャワールームとトイレが2か所ずつに、やたら広いリビングが2部屋ある。
イザークが予約したらしいが、ディートリッヒに聞くといつものことらしい。
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