夢路綺譚
2
まぁ…そんな話は置いといて、彼[カ]の君に文句を言わねばならない。
「ディート…。普通に誘えない?もっと紳士的に。」
「ハルが逃げようとするんだもん。そうしたら必然的にねぇ。ほら、僕は寂しがり屋だから仕方ないと思ってよ。」
一瞬…目の前がブラック・アウトしかけたがこの際どうでも良いかもしれない。
イザークも微妙な表情になっていたりする。
天使のような微笑みで、そんな堂々と嘘を吐[ツ]いても良いのだろうか…?
「………………。」
「ちょっと…何?その疑わしげな視線は?」
「ディートリッヒ…。君がそんな可愛い行動をするとは到底思えないんだが…。」
イザークは飽きれたようにディートリッヒを見やる。
しかもその後に
「春華もそう思ったのでしょう?」
と、同意を求めてくる。
的を得た説明をありがとう…魔術師殿。
できれば巻きこまないでくれ…。
何か今…ディートリッヒの表情が一瞬、軽く眉間にシワを寄せましたよ?
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