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ギアスnovel
桃色の私(ジノアニャ)

私は彼に出会うまで、この髪が大嫌いだった――。

「見てみろよあのピンクの髪」「うん、そんなに目立ちたいのかな」

ラウンズに入る前の私はこのピンクの髪のせいでいつも馬鹿にされていた。
今みたいな風に私に直接は言わないものの周りの人同士こそこそとこの髪の悪口を言う。
目立ちたい訳じゃない。この色は生まれつきなのに……。

この髪が嫌いだ。
どうしたらいいんだろう。
私はいつも1人ぽつんと木陰に佇んでいた。

そしてラウンズに入る事になった日、私は新しいメンバーに不安があった。
また、あの日々が始まるのかな。

「おいっ、どうしたんだよお前俯いちゃって!」

誰?恐る恐る顔をあげるとそこには人懐っこい笑みと艶のある金髪が目に入った。

「別に」

私はさっと髪を触り隠したくなった。そんな事で隠れる訳などないのだけれど。

「なんだよ、そっけないなぁー!」
「…………」

ぷい、と顔を横に向け考える。
どうせこの人も私の髪の色が珍しいだとか何か言いにきたのだろう。

「ん、お前綺麗な髪の色してるなぁ」
「!?」

今なんて。綺麗?

「いいなぁ、羨ましいぜ。似合いまくりじゃねぇか」

わしゃわしゃと頭を撫でられ私はどうしたらいいか分からなかった。
似合ってるっていうの?この髪が私に?
頭を撫でられるなんて初めてだった。今まで誰も触ろうとしてこなかったのに。

「私なんてこの金髪だろ、目立って仕方ないよ」
「私の方が目立つ」
「目立ってもお前は可愛い、私みたいに見とれる奴もいるんだからさー」
「誰も見とれない」
「だから私が見とれたんだ」

また人懐っこい笑みを見せてくる彼。本当にこんな私が可愛いと思ってくれてるの?

「私はジノだ。お前は何て言うんだ?」
「……アーニャ」
「アーニャか、うん。じゃあまたな! 桃色のアーニャー」

桃色?彼、ジノは謎なあだ名を叫びながら嵐のように走り去っていった。
彼は何だったんだろう。
桃色……。この髪が桃色だなんて考えた事も無かった。

「ジノ……」

彼の大きな後ろ姿はだんだん小さくなっていった。

私は彼に出会ってから、この髪が大好きになった――。







あとがき
こんな過去があってもいいなぁみたいな妄想です、すいません(><;)
アニャはこの頃からジノを気にしはじめてたらいいと思います!

090807

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