[携帯モード] [URL送信]

ひぐらし*うみねこnovel
今日も明日も明後日も(嘉朱)

黄金の魔女からの手紙――。

その手紙が届き、碑文に沿った第一の晩が終わり、あたし達右代宮家の空気はかなり緊張しきっていた。
魔女なんていない。そう思って気持ちを整えようとしても上手くいかず逆に不安が体を支配してくる。
あたし達はちゃんと助かるのだろうか……。
ふと辺りにいる人達を見回すと使用人の1人と視線が重なった。
あたしは急に恥ずかしくなり思いきり顔を背けたがすぐ側にいた彼があたしを呼んで近づいてくるのが分かった。

「大丈夫ですか? 顔色が悪いです」

「そんなこと……ないよ」

とは言ったものの彼の顔を見ると不安がまた一倍、いや百倍は大きくなる。
彼には無事でいてほしい。

「明日も……会える……よな」

何言ってんだよあたし。会えるに決まってるだろ。
なのに彼から肯定の言葉を聞いて心を落ち着かせようとしている自分がいた。

「心配しなくて大丈夫です」

「で……も、怖いんだ」

言ってしまった。彼の前では弱さを見せたくなんてなかったのに、まるで言えというかのように震える口が動いてしまった。

「明日……嘉音くん、いやもしかしたらあたしが……いなく、なってしまったらって思うと」

「お嬢さまに何かあったら僕が守ります」

うん。嘉音くんならそう言ってくれるのは想像できて、それがとても胸をときめかせる。
でも、あたしを守るだけじゃ駄目なんだ。

「ありがとう……でも! 嘉音くん自身に危険が迫ってもちゃんと自分の体を守ってくれる?」

彼は珍しく目を丸めていた。
自分の事を家具としか思っていない彼は自分がどうなってもいいなどと馬鹿な事を考えているに違いなかった。
でもそれじゃあ意味がないよ……。
だからあたしはもう一度、絶対だからな。と言って彼の瞳を見つめた。


だって彼がいない明日なんて、あたしには耐えられないよ――。


後書き
アンケートでカノジェシが人気だったのでまずは書いてみよう……!と思い書きました(´`*)
お嬢さまを守る執事みたいなそんなイメージで…!←
嘉音くんに守られるジェシとかとても萌えると思うんだ!(^^*)

090509

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!