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ひぐらし*うみねこnovel
放課後の護衛(天縁)
※学パロです。


カリカリカリ――。
放課後の教室に文字を書く音が無機質に響き渡る。

「あれ、お嬢まだ残ってたんですか?」

ドアの開く音とともに天草が入ってきた。

「学校でその呼び方はやめてっていつも言ってるはずよ。あんたこそ何しにきたの」

「何って鞄を取りにきただけです」

言いながら天草は自分の席へ行き置いてあった鞄を掴み縁寿のもとへ歩みよった。
ちらりと手元を覗き込むと適当にとった椅子に座り込む。

「日誌ですか」

「早く帰ったらどうなの、天草の用事は終わったんでしょ」

手を止めることもなく言ってのける縁寿に天草は無言のまま頬杖をつき彼女を眺めている。外は既に暗く校内は静けさが増していく。

「別に待っててなんて頼んでないわよ」

天草の沈黙に耐えきれなくなったのか縁寿は彼の方を向き一言そう述べると再び手を動かし始める。

「私が待ちたいから待っているだけです、それにこんな夜道1人じゃ危険だ」

「思ってもいないくせに」

「ヒャッハ、ばれましたか」

「馬鹿」

クールに言い放つも縁寿の態度にすぐ顔を崩し天草は笑みを見せる。

「まあこれでも一応お嬢の護衛ですから」

「またその呼び方……」

言って夕焼けを背に天草は微笑み縁寿は仕方ないな、と頬を膨らませる。
教室には2人の姿がもうしばらく残っていた。


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