ひぐらし*うみねこnovel 在るというぬくもり(ベアバト) 「魔法なんてないな」 「そんなことはない。魔法は存在するぞ」 いつもの戦人のこの言葉に、妾は否定の言葉を述べる。 魔法は存在する。 言っていくつもの魔法を見せ戦人を驚かせるのだ。 人技ではなしえない、魔法だからこそなしえる事を。 それを見て戦人は動揺する、しかしすぐにその動揺は消え妾を見据える。 「魔法は存在しねぇ」 にやりと再び否定の言葉が述べられた。 その度ずきり、と心が痛む。 戦人には分からないだろうがこの言葉に何度心を痛めただろう。 魔法は存在しないという事は、つまり妾の存在を否定しているという事。 妾はいないと。 「これでも……妾は存在しないというのか?」 「えっ」 思わず妾は両手で戦人の手を握りしめていた。 そのぬくもりを手から感じとるように。 その不意打ちに戦人はただ口を開けて固まっている。 これで少しでも、妾を認めてくれますように――。 あとがき うちのベアトはいつもこんな感じです。 健気でふと見せる子どもっぽい一面が大好きです(><*) 090621 [*前へ][次へ#] |