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零のイライラ

数日前から、晃も様子がおかしいことから、2人の間で何かがあったのだろうとは簡単に想像がつく。


青春だな


知りたい自分を焦らして考える時間を楽しむうさぎなんだから、付き合うまでの時間も楽しめばいい


2人の問題だ。俺は知らないからな


そう思って今まで放っておいたが、うさぎのつらそうな顔を何日も見ていると腹のあたりが熱くなってくる。



「はぁ〜〜〜〜〜………今日俺の部屋に来いよ。作戦会議をしようか」



夕食後、うさぎを部屋に招き入れ、思っていることを話せよ と言っても、彼女は何も言わない。


壁の向こう側からは、話題の人物のどん底に暗いギターの音が漏れ聞こえていた。


暗い音楽と暗い顔。


まったくお前らは…なにやってるんだか


俺もだけど…


晃と何かあったのか?と聞いても、首を振るばかり。


何も言わないくせに、隣からの声をひどく気にしている。


ただ時間が過ぎる。


イライラする


大切な事もくだらない事も、うざいほど俺に話していたのに、アイツのこととなると何も言わないのか?



「………ぇと…あの……やっぱり、なんでもないの…」



うさぎがため息をついて部屋を出て行こうとする。


その後ろ姿を追いかけてドアに手をかけようとする彼女を壁に押し付けた。



「え?…ぁ…」



抵抗しようとする腕を掴み、彼女の顔を覗き込む。



「…ぃゃ…」



前にもちょっとした悪戯心で彼女にキスをする真似をしたことがある。


少し度が過ぎたかもしれないが、うさぎの反応が見たかっただけだった。


その時は、ただびっくりした!という顔をしただけだったのに、今の彼女の顔は全く違っていた。


俺が顔を近づけるのと同時に、彼女は顔を真っ赤にして背ける。


彼女の心の内があの時とは違うのだということを思い知らされた。

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