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もやもやの始まり
5
「…今日は特に用事ないし、○○市に行ってみたかった店もあるし、一緒に行ってあげるよ…」



本日2回目のため息をついて、そう言ってあげると彼女はまた顔を赤くして、小さくありがとうと呟いた。



「ただし!そのためには条件!」



ちょっとした興味というか、いたずら心というか…



「そのジーンズ、脱いで。」



―――――

クスクス…



電車の中で俺は思い出し笑いをしていた。


ジーンズ脱いでと言ったときの、彼女の顔は見ものだった。


既に赤かった顔を更に真っ赤にして静止していた。


言葉も出なかったみたいだ。



「そのシャツ、ワンピースでしょ?そのジーンズじゃ合わないでしょ。」



どうも彼女は足を露出するのを嫌がっていたみたいだが、そこはほら、俺の口八丁手八丁でなんとか納得していただきました。


ついでに縛っていた髪をおろし、前髪は流して×ピンで留めてあげる。


たったそれだけなのに、わぉ!清楚なお嬢様の出来上がり♪


隣に立って、通り過ぎた駅の数を指折り数えている鈴木さんを改めて見て、俺は自分の仕事に満足した。


(ちなみに、彼女は気付いていないみたいだったが、電車内で彼女は痴漢にあいかけていた。

痴漢おじさんとの間に割り込んで未然に防いであげたけど…

こんな抵抗できなさそうな女の子に痴漢するなんて、最低だよ。)


○○市の駅について、じゃぁ俺はこれで…と言おうとしたところ、彼女は自分の地元にも関わらず、やはりバスで自分の元校への行き方がわからず、結局目的地まで俺は一緒に行くことになった。



彼女の元校前に降り立つと、校門前は人でいっぱいだった。


女子高校ということで、騒ぎに乗じて不審人物が入り込まないように、招待状を持っているか、生徒が迎えにこないと校内には入れないらしい。


そして、彼女はというと招待状を持っていないらしかった。



「今、友達にメールするから…」



そう言って、メールを送信。


こんな賑やかな中でメールに気づくかなと不安になる暇もなく、小っちゃい女子高生がひとりこちらに向かって猛ダッシュしてきた。

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あきゅろす。
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