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蓮司君に後ろから抱きしめられる形で、二人とも無言でいる。
「…生理中って胸が硬くなるってホント?」
沈黙を破って、蓮司君が耳元で囁く。
「…わ、わかんないよ…」
「じゃ、確かめてみるか」
と、蓮司君の指が私の制服のボタンにかかった時、昼休み終了のブザーが鳴り響いた。
弾かれる様に私は、蓮司君を押し退け、無理矢理立ち上がり、スカートの裾を叩く。
「お昼終わったよ!教室戻らないと!あ〜蓮司君のおかげでだいぶ楽になったかも!」
「……じゃ、今度は自分で歩けよ。」
ちょっと、ムッとした顔で蓮司君も立ち上がり、振り向くことなく歩いて行く。
「あ、当たり前でしょ!また来月もよろしく〜」
冗談混じりに言った私に、
「へぇ〜。じゃ、来月こそ確かめさせてもらおうかな。」
蓮司君は、私の胸の辺りに一瞥くれると、音楽室をあとにした。
真っ赤になって、何も言い返せなかった。
大きく息をひとつ吸い込んで、彼の後を追った。
おしまい
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