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頭に乗せられていた手はゆっくり動いて、耳をかすめて、首元までくると、また頭に乗せられた。
蓮司君が私の頭をなでなでしてる。と思うとどきどきしてくる。
「くすぐったいよ」
「うるさいなぁ」
なでなで…なでなで…なでなで…
どんな顔してなでてるんだろう?
と、ちょっと見上げてみると、優等生バージョンとは違うスッゴク優しそうな目とぶつかった。
「いきなりこっち見るなよ!指が目に入りそうだったろ!」
と、向こうを向いてしまった。
私もいつもとは違う蓮司君の顔に、なんだか照れてしまって、また眼を閉じた。
「なんか、猫を撫でてるみたいだな。」
「アレルギーじゃなかったけ?」
「おまえは猫か?」
「ハハ…にぁ〜」
ふざけて猫の鳴き真似をすると、蓮司君はニヤリって顔をして、私のアゴの下をくすぐった。
「イヤ〜くすぐったい〜」
「猫ならこれがいいんだろ!」
ゲラゲラ笑いながら二人で暴れていたら、不意に蓮司君の手が私の胸に置かれた。
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