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言い訳ばかりでなかなか動こうとしない私に、蓮司君は
「もう黙れ!」
足元にかがんだと思うと、私の膝裏と脇に手を掛けて抱き上げてしまった。
「きゃ!いや〜怖い!」
いわゆるお姫様抱っこをされたのだが、右手が外れたら、頭から落ちるかもと思っただけで怖い!
「怖いよ〜!イヤ〜!」
「うるさい!黙れ!」
「落ちちゃうよ〜怖いよ!」
蓮司君の言葉もまともに聞けず、暴れる私に突然
がぶっ!
制服の上からだけど私の胸に噛みついた。
「な!な!何を?!」
びっくりして、固まった私に、
「絶対落とさないから、大人しくしてろ。そんなに怖けりゃ、しっかり捕まっればいいだろ。」
蓮司君は涼しい顔で歩きだした。
「…ハイ…」
大人しくなったものの、しっかり蓮司君の頭に抱きついて、運ばれて降ろされたのは、音楽室の壁際ソファ。
「今の時間は誰もいないから、ぐったりしてろ。」
「…うん。」
横になって丸くなると、頭の上のほうが沈んだ。見上げると、蓮司君が足を組んで座っていた。
「戻らないの?」
「後でな。」
眼を閉じていると、千道君の手が私の頭に乗せられた。
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