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帝白物語 第1章
encounter1

案内された部屋はなんとも広い。


広すぎる。

私なんかがこんなに
広い部屋をもらっても…
よろしいのでしょうか?


実際は部屋の広さだけじゃなくて家具もいかにも高級なのが用意されてあった。

クローゼットの中には私が家から持参したものなんてボロボロに見える位キラキラとして恥ずかしくなる位だった。



「なぜ…こんなに可愛い洋服まで?」


普通なら嬉しいんだけど、ここまで用意してもらってしまって申し訳なくなってしまった。



とりあえず疲れたので今日は寝よう。明日は8時にここを出ればいいらしいし…。


ベッドに足を運ぶとこれまた立派なベッドがあった。

絶対に私の前のベッドの2倍はある!!


本当に私は…ここまで用意させてしまったなんて。

お母さんも何でこんなに豪華な家に!?


考えるのも疲れた!
寝なきゃ!
明日起きられないもん。



寝る前にもう1こ気になる事があった。


同い年のかすみさんの息子さんってどんな方なのかな?

やっぱ、かすみさんがあんなに優しいんだから優しいでしょ!

容姿は…パパさんに似ていそう。いこーる、カッコイイって事ね。

なんだか楽しみぃ〜。
早く会ってみたいな。

期待に胸が膨らむ。

私はいつの間にかふかふかのベッドに寝転んでいてぐっすりと爆睡していた。










ーピピピピー

目覚ましの音がうるさく耳に響く。布団の中に潜っても一向に耳に残る音に我慢できなくてがしっと目覚まし時計を止めた。

「う…るさ…、今なんじ…?」

未だに目が覚めない私は目をごしごしとする。ようやくはっきりしてきたのか時計の針が指す時刻を見る。

私はまだ寝ぼけてんのか。

もう一度目を擦って時計を見直す。

時計は先程と変わらく時刻を知らせている。

「…や、やっばー!」


ここを出るのは8時の予定なのになんと7時40分。


急いで布団中からあらかじめ昨日渡されていた制服を着る。

「これで合ってんのかな?ってか…かわいーじゃん!ってこんな事してる場合じゃなかった。」


部屋を出るとメイドさんが私を待っていたみたいで、朝食があるから食堂へ着いてくる様に言われた。

私の部屋は2かいで下に降りなくちゃいけない。よって道に迷う事は予想が出来てしまう。


こんな時にまでメイドさんに迷惑をかけなくちゃならない自分が情けなく感じた。


私も早く道覚えなきゃ!
迷惑ばっか、かけられない。


ってか私朝食とか食べてる場合じゃない!
時間がないの!


っていうよりメイドさんもいたなら起こしてくれてもいいと思う…。


「メイドさんごめんなさい、私今日急いでて…せっかく朝ご飯用意してもらったのに…たべられないです」

頭を下げて精一杯謝る。

「頭をお上げ下さい。朝食は必ず食べて頂きます。かすみ様からその様に言われてますので、そして…家を出るのは8時30分でいいそうですよ。」









へっ!?
あれ8時じゃなかったの?


私は気が抜けて腰が抜けそうだった。あんなに焦って準備したがアホらしく思えてきた。まぁ結果そのおかげでご飯はゆっくり食べることができた。




ってか息子さんは朝早い人なのかな?

ご飯はまぁこんなメイドさんだから食べる嵌めにはなるんだろうけど…。


ってか同じ家にいながら一度も会ってないってのもある意味すごい。


運命の人じゃないのかぁ。残念。


どういう思考からそうなったのかはよく覚えてないけど、1度も会わないことから運命は無いと変な事を考えていた私だった。














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