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帝白物語 第1章
GAME6*AKUTSU


「あんだけ言ってたのに…ね?」


「ウォンバイ太陽。6−0」


俺は1ゲームもとれずに負けた。

今まで俺はこんな風に負けた事は1度もない。

なのに…俺は…っち!


「なら玲也には勝てないね、もっと強いもん」

「褒めんな。お前に負けてんだろ、俺。」


二人は楽しそうに話をしていた。

それに比べて俺はその場所に倒れこんで屈辱を一人味わっていた。


「またどっかで会ったら、テニスやろーね」

手を差し延べるこの女がムカついてムカついて仕方なかった。


俺は太陽という女に負けたんだ。

しかもアイツは一度も息を切らす事は無かった。

「テニスなんて…二度とやるか」


俺は立ち上がりラケットを投げ捨てようとしたが…女に止められた。


「それは玲也のラケットなの。これ以上の傷をつけて返さないで」


俺が使っていたラケットは既に太陽との試合でかなりの傷がついていた。


「ね…?」

そう言われても素直に渡せる訳もなく、そっとラケットを地面に置いた。


それだけなのに

「ありがとう」

アイツはそう言った。



「またな」
「またね」


アイツらは同時にそう言って俺を置いてこの場所から去っていった。




それから俺はテニスをやらなくなったんだ。













そして5年ぶりの再開。


今日の試合でアイツを見た時、直ぐに分かった。


顔にまだあどけなさが残っていた。


幼い頃にもあったあの整った顔。

分からないハズがない。

「あの女…っ!」



何でアイツがここにいるのか。


何で男は一緒じゃないのか。



よく見ると青学の制服を着ている。
という事は、マネージャーか何かしてんのか、それともただの応援か。


応援だとしたならばアイツ、玲也とかいう奴もいるハズだ。


なのに…アイツの姿はどこにも見当たらない。


どういう事だ。


それにもう一つ。



太陽が全く俺を覚えてねぇって事。


5年間の間に何が起きたんだ…?















continue



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あきゅろす。
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