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帝白物語 第1章
permission3

さっそく病院を出るのはいいが…タクシーを使おうか…バスを使おうか…。




試合会場まではかなりの距離がある為に交通手段に迷う嵌めに。


「もう…!どうしよう」


軽く泣いてしまいたくなった時だった。







―キィィー―


「…え」

私の前に急に現れた1台の高級車。

まさか…これは。


「太陽様、さぁこちらへどうぞ」

「何でここにいるの?運転手さん」


それは跡部家で働いているあの運転手さん。


「…早くしないと遅れてしまいますよ」

「……。」


とりあえず試合にはなんとしても1試合でも間に合いたい。

という事はこんな所で時間を潰すわけにもいかない。


結果、やっぱりこの高級車に乗る事になりました。




「運転手さん…。」

「太陽様の事は連絡がこちらに入っております。なので私は迎えにあがりました」



あ、なるほどね。



「試合の状況なんて知る訳ないよね?」

「ただ今聖ルドルフと青春学園の試合が終了したそうです」




もう、そんな時間だったの??



っていうか…裕太くんに会ってみたかったぁ…。

ほら、どんなプレーするのか気になったしさぁ…。



溜め息も零れるわ。

「それで勝ったのはもちろん…」

「はい、青春学園です」


当たり前だ。


こんな所で負ける青学ではない。


「観月はじめ、という人物が色々厄介だったらしいですが…」


「??」

「まぁ、データマンらしいですから。…それに」

「……それに?」


「不二裕太に危ない技術を身につけさせたようで…」

「!!!」


…最低…。


「それってテニスが出来なくなっちゃうかもしれないって事も…」


「えぇ、あるかもしれません」







許せない。




未来を潰すなんてそれこそ最低よ。





未来を奪うなんて私は許さない。



「太陽様…?」

「気にしないで…。」

「……あんまり無理なさらないで下さいね。」



運転手さんって優しいんだね。


景吾にも分けてあげてよね。





車は静かに、だけれど速く走って行ってるのだった。


















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