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帝白物語 第1章
permission1

今日はなんと外出許可が出るかもしれない日。


なんで?って…?


そりゃあ私は運が強くてもともと大怪我なんてしてないからね。


なので…今から先生の元へ行ってくるのです。


今日だけは行きたい。



だって試合の日だよ??


みんなのサポートしたいもんね。




「太陽」

「え?なに?」


精市がポンッと私の肩に手を置いてドアの方向を指さす。


その精市の顔は何だか笑いを堪えていて…。


「なに…精市。」

「太陽の嫌いな看護婦さんが迎えに来てるよ。」


そういうことかー!!


精市…後でしばく!!



「ほら早く来なさいよ、鏡見さん」

本当に厭味ったらしい言い方すんのねー、おばさん看護婦。


「はいはい、行きますよ」


精市は私の部屋でくつろぐらしく、その場で私を見送った。



私は看護婦に着いていく。


それが苦痛で仕方ないんだけどー。



「ほら、ここよ」


そこは「2番」と書いてある病室で入口の左には先生の顔写真が飾ってあった。


その先生はいかにも優しそうな男な先生でなんだか少し安心した。


「失礼しまーす」

「はい、どうぞ。ここに座って」

「ありがとうございます」

よくある丸椅子に座らせられて先生の顔をついつい伺ってしまった。


「大丈夫だよ。今日は検査して平気だったら外に出ていいからね」




…検査!?


…そんなんじゃ試合に間に合わないじゃん。


初戦は絶対無理。


急いで行っても次?


いや、かなりきつい。


「先生!お願い、絶対に早くしてね」

「最善を尽くすよ」


手術を決定した時みたいな言い方はやめてー。



「じゃあ、今から行こうか。」


「はい…」



不安は募るばかりで、気持ちは焦っていくのだった。




お願いだから…少しでも早くして。














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あきゅろす。
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