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帝白物語 第1章
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さて、今日は何だか騒がしくなりそうな予感。


ただ今の時間は午後4時、今日はテニス部のみんなは部活が休みなので今頃きっと下校中。


そして精市くんは検査の為に私の部屋にはいません。


ということで今めっちゃくちゃ暇なんだよね。


また誰か来ないかな…。



―ガラッ―



ナイスタイミング!


さぁ次のお見舞いは誰…………って。


「点滴変えに来たわよ」



出た、むかつく看護婦。



何なんだよー。




「失礼します。」

「え…。」


看護婦とは別の誰かが部屋に入ってきた。


私と看護婦は見事に息を揃えてドアの先を見る。


「あら、イケメン。」

「手塚だ〜。」

「…随分年上の彼ね。」

「おばさん看護婦、この人同い年だから。」

「………点滴変えおわったから、失礼。」



いつまでもむかつく看護婦。




「お前は相変わらずだな。意外と元気そうで安心した。」

「…余裕余裕!」


…手塚は何を心配してくれたの?

「そうか、ならいいんだ。」

「アレ?みんなも一緒かと思ってたんだけど。」


あのメンバーの事だ、きっとだいたいの人は私の病院に来てくれようとしたハズ。


なので手塚を見た時にテニス部の皆がいると予想していたのだが…他の誰かかがいる様子は無い。



「全員で来たら煩いだろう、だから俺が代表して来ただけだ。」


なるほど。

さすが手塚、顔も大人だが考えもしっかり大人だった。
「わざわざありがとう。」

「体はどうだ?」

「うん、かすり傷だけ。」


部長、迷惑かけて申し訳ありません…。

そう口にしようとした時…手塚が先に何かを口にした。



「あの日……」

「…え?」

「……悪いな。」


なに…なんの事を手塚は言おうと思っているの?


手塚の目からは…何かの後悔の気持ちしか読み取る事ができない。



「ねぇ、私手塚に謝られるような事されてない。」

「…俺はあの日お前を…せめて駅まで送ればお前が事故に遭う事は無かった」


「アレは私の事故なの!本当に気にしないで…。」

「……」


手塚は本当に責任感の強い人だ。

あんなの…全て、全部…私のせいなのに。




そう……みんな私のせい。



玲也がいなくなったのも…


お父さんもお母さんも消えたのも…




私のせいなんだよ。











「太陽…?」

「………え?」

「?…大丈夫か」



私は今どんな顔してる…?


きっと不安に押し潰されそうで怖くて怯えているような愚かな表情だろう。


思い出したら…恐くて恐くて…。


誰か…助けて…!!




















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あきゅろす。
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