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帝白物語 第1章
friend2


立海のメンバーは今日、私の部屋で夜ご飯近くまで一緒に話をしていてくれた。

ジャッカルはちゃんとひっぱたかれて起こされて連れてかれてたし…。


ただ、あの真田が何も言わなかったのが少し怖かったんだけど…。



でも私にしてみればすっごい嬉しかった。


私が青学のマネージャーでも関係なく私と話てくれたから。



精市も全然気にしてなかった…みたいだし。多分。




「鏡見さん、夜ご飯。」

「ありがとうございます。」


…昼のむっかつく看護婦だ。


私のテーブルにバンッと音をたてて夕食を置いていった。


「幸村くんとの時間を邪魔するの、本当にやめてよね。」

「患者さんにマッサージしてもらうとか…仕事をちゃんと終えてからにしてほしいよね」


「ふん、生意気なガキ。」

「貴方みたいなオバサンに言われたくないよね」


私と看護婦が睨み合いの間には火花がたくさん散っていたとかって。


―バンッ―



どうせ精市はあの看護婦さんと一緒に食べるんだろうし。

私は行かなくていいや。


また変なとこだったら絶対に嫌だし、それなら一人で食べていたい。

「いただきます…」

ご飯を箸でつまんで口に運んだ時にちょうど、ドアから誰かがノックした音が聞こえた。


「入るぞ。」

「え…」


私の部屋に入ってきたのは精市じゃなくて…。


「景吾…?」

「俺じゃ何か悪いか?」

「…びっくりした。」

「朝も来たのに驚いてんじゃねーよ」

「確かに…朝も来てくれてたね。」


景吾の姿を見ると何だか心が一気に緩んだ。


……??


景吾は私の近くに椅子を持って来て、偉そうに座った。


景吾が座るとこのボロ椅子もピカピカして見えるのは…何故?



「そんなに俺に見とれるな」

「…どうなったらそういうプラス思考に発展するのか知りたいわー」
俺様なのは知ってたけどここまでくると痛くなってくる。


「分かったから、さっさと飯食え。」

「景吾は…」

「俺は家に帰ればあるんだよ。」


…私、もし景吾が来てくれなかったら…一人で食べてたんだよね。


じゃあ…景吾は今日帰ったら一人でご飯食べる訳??


「景吾、私いなくて寂しいでしょ?」

「……アーン?俺が寂しい訳無いだろ…」

「強がりー!」

「なっ…!」


照れてる景吾が可愛くて珍しくて、早くここを退院して一緒にご飯を食べたいなって本当に心の底から思った。


「景吾にご飯、半分上げる。」

「俺の口に合う訳無ぇだろーが。」

「…あとで後悔したって知らないからねー」


私は一人でパクパクとご飯を食べ尽くした。

精市が一緒に食べようとしに部屋を訪れたなんて全くもって知らずに…。



「ご馳走様でした」

「お前の胃はブラックホールか」

「病院食だって美味しいものは美味しいんだから」


景吾といると会話が止まる事は無い。むしろ今は話足りない位。

景吾は今こうして病院に来てくれているけど本当は忙しい身。


「今日も部活だったの?」

「当たり前だ。他に何あんのか?」

「確認よ、馬鹿!」


そう、部活もあって疲れているハズなのにね。

無理してまで本当、馬鹿みたい。


私は景吾と話しているうちにうとうとしてしまっていたらしく知らないうちにぐっすり眠っていた。

景吾は私が寝るまでずっと…座って傍にいてくれていた。

















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