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帝白物語 第1章
confront-Atobe Side



太陽のいる病院に顔を出して来た後学校に行く為に車に乗っていた。


「太陽様はいかがでした…?」

運転士もやはり気になるらしく跡部に様子を伺う。

「…とりあえず生きてた」

「…そうですか。随分心配してますね。」

「……俺のせいなのもあるんだよ。」


俺があの時あの話に触れ無ければよかったのに…。


「自分を責めないで下さいね。」

「……。」


何も言えなかった。
責めてるつもりはないが自分のせいじゃないとも言えない。

それに…

『みんな…消えちゃうんだ!!消えないで…置いてかない…でよ』


あの太陽があそこまで泣くとは思ってなかった。


余程苦しんでいたのか…。


俺の知ってる太陽はいつも笑っていて周りに幸せを与えてくれるような人間だ。


なのに…俺は…。

「馬鹿か…俺は。」




車は静かに目的地へと着いた。


「行ってらっしゃいませ、景吾様。」


―バタンッ―



「…っち。」


俺にはアイツを支えてやれるか…?


あの笑顔を守れるだけのものが俺にはあるのか?



っちくしょう、アイツの事になると何にも分からない。





「跡部…!」

「…忍足か。」

「例の調べもんやけど…」

「分かった。」

すぐに教室に荷物を置いてから忍足の元へと足を進めていく。


焦ったって仕方ない事は分かっている。だが頭で理解していても気持ちは更に焦る一方。





「忍足…!」

「あぁ。一応内密にな?こんなん良く無い事やし。」

「当たり前だ。へまなんかするか。」

「太陽ちゃんだっけ?その子の事意外と情報少なくてな。」

「いや…」


もらった資料をその場でぺらぺらといい音をたてて見ていく。


「これだけ分かれば今は十分だ。悪いな」

「えぇけど…」

「なんかあんのか?」

「…今度俺も太陽に会いたいわぁ。」

「……」

一分は黙ったまんま忍足と跡部の二人で見つめ合っていた。

周りから見ればなんとも怪しいものか。


代わり者のファン達からしてみれば…最高の2ショットかもしれない。


ただ…黙っているのが問題だが…。





「……分かった。」

「おおきに。楽しみにしとくで。」



―キーンコーン―

ナイスタイミングで鐘が鳴りお互いに教室へと戻って行くのだった。



















私はまだまだ自分がどれだけ色んな人に大切かなんてのは分かっていない。



自分だけが悲劇のヒロインみたいに落ちぶれていて皆に頼ってばかりで助けられてばかりだったんだ。





本当…不器用過ぎる優しさにも甘えて…一番最低なのは…私だったんだ。











continue



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あきゅろす。
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