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帝白物語 第1章
bygone4


事故にあってから私が目を覚ますまで実に2週間もかかったらしい。


どうやら医師によるとこれも精神的なことに関係があると診断された。



それから更に3週間後、私は無事に学校に行く事が許可されて行く事にした。



玲也が生きている、その事を胸の隅側に信じてしまって。




―ガラッ―


ドアを開けた瞬間、私に皆飛び付いてきた。


それは正直に嬉しくて涙までポロっと零れてしまうかと思った。



「よかったぁ!太陽は生きていてくれたんだね!」


「太陽までいなくならないで良かった」



そんな声が次から次へと止まる事なく溢れてくる。


その言葉が私をまたどん底に落とし入れているとも知らずに皆はまだ続ける。



「玲也くん残念だったね」

「私たちがついてるから」


平静を保つのがやっとだった。


皆まるで玲也が死んだ、とでも言うように語るのだから。


「ねぇ、どういうこと…」


私の質問で一気に空気が冷たくなった。


「玲也くん…。生きてるか死んでしまってるか分からないの。」


お母さんと同じ言葉。


なんで…??


「太陽達が事故に遭ったその日に玲也くんも家も消えたんだよ…。」



「…家まで…?」




私はすぐに学校を出てその事実を確かめようと走った。


玲也にも

玲也のご両親にも


私まだ何一つ謝ってない。


置いて行かないでよ。









「…なんで…。」


玲也の家がある場所に行くも目の前には家なんて建っていなかった。



つい最近までは立派過ぎる家が建っていたのに、それは跡形も無くなっている。



「…玲也っ!」


何でよ!!






誰か私に……。













玲也の全てを奪った私に罰を…。












永遠の…罪を。

























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あきゅろす。
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