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帝白物語 第1章
見学
「つっかれたぁ〜。」

ついつい足が耐えられなくなりゴロンとコートに堂々と倒れる。

「体力無いんだね。」

年下のくせに私に上から話しかけてくる。

「うっさい!久しぶりだったんだもーん。」




私がツーンと口を尖らせても全く表情を変えない大人ぶった少年。まるで私より年上みたいな態度だ。きっと…心は赤ちゃんなんだろうけど…。

「あ…、来た。」

ふっ、と体を起こしリョーマ君の視線の先を急いで探しだす。

視線の先にいたのはあのテニス界でも騒がれている青学のレギュラーじゃないか。

これでもテニスの経験がある私には騒がれていた彼たちの事ならば知っている。


…そんな感心している場合ではなかった!私もしかして待たせてるかも!


なにを?って…?
迎えに来てくれる人!

やばい、やばい、やばい。
まじで最悪だ。
急いで帰ろう。


「じゃあ、待ってる人も来たみたいだし私は行くね。またいつか会う日があったら。」

そう言って手を振りその場から急いで立ち去る。

この時太陽を見ていたのは青学のレギュラー陣だけではなかった。


青学レギュラーとすれ違う事など気にも止められず急いで家を目指して走る。
「あれ?今の女の子…。」

「英二?知ってるのか??」

「オチビと一緒に話してた気がするにゃ〜?」

「え!?あんな可愛い子と友達なのかよ!?く〜っ!あのチビめ〜。」

「桃は可愛い子にすぐ目がいっちゃうんだからー。」

「はは、すいません」


ゴタゴタと騒がれている事なんて知らずに太陽は必死に迷っていて帰り道も分からないのにただ前を走るばかり。

「おい、越前。今のは友達か?」

「先輩達、遅いッスよ。さっき知り合った女です。」


そういうリョーマの目はなにか新しい者を見つけたようだった。

「試合してたようだけど…?どうだったのオチビ」

「まぁ、どうせお前にゃ敵わないよな」

当たり前の様に言う桃白にリョーマは苦笑いをしていた。

「ハハ…、あの女…タダ者じゃないッスよ。」

リョーマからそんな言葉が聞けるとは思わなかった周りの奴ら。

それは相手が女だからそういうのか、それとも…。


「またいつか試合したいね」















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