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帝白物語 第1章
immensely4

次の試合は青学の黄金ペアの大石、菊丸だ。

見事に菊丸の素早い動きと、予想できない動きが働きいい流れを持って来ている。


「さすが菊ちゃん!」


だけど菊丸が安心して動けるのは後ろの大石がカバーに入ってるからなのだ。

すごいのはそれをお互い信じ合って理解しているという事だ。どれだけの試合と練習を積み重ねて来たのだろうか…。



試合は後半には雨が降ってきた。


雨…?
これでプレーに
影響が出ないと
いいのだけど……。


太陽の心配は無用だった。二人は見事なコンビネーションで相手をもろともしなかったのだ。


「ゲームセット。ウォンバイ青学。6―2!」


もちろん黄金ペアは勝利した。



今の時点だと1―1。ここからはシングルスが重要になってくる。


「二人ともお疲れー!ハイどーぞ!」

試合から帰ってきた二人に太陽はすぐにスポーツドリンクを渡す。


「ありがとう」


大石はほどほどに飲み、菊丸は一気に飲み干した。

菊ちゃんは体力ないから…後半の方が勝負だね。大石は今は安定してるけれど何かがきっかけで精神面が崩れそう…。
大石のはあくまで、予想だけれども。

(私が役に立てればいいなぁ)


「太陽!見て見て!雨上がったよ!」

菊丸に言われて空を見上げるとすっかり雨は上がっていた。


「通り雨だったみたいだな。」


雨はプレーに影響しやすいもの。雨がすぐに上がってくれて安心をしていた、太陽。

ふとスポーツドリンクを持つ。


「!!」

「ごめーん、太陽!」菊丸を見ると顔の前で手を合わせて謝罪してくる。

その理由は…


「なぁに一人でみんなの分一気飲みしてんのー!」
という事。


太陽の声が周りにいる全ての者に響き渡った。


太陽に大声を出させた菊丸は……


「ご…ごめんなさい。」

怯えていた。


菊丸は心に決めたのだった。太陽の前ではスポーツドリンクを大切にしようと…。



太陽の声が聞こえたのは青学のみんなだけでは無かった。

審判、観客、そして不動峰にまで聞こえていたのだ。


不動峰の部長の橘も一言。
「青学は強烈なマネージャーを持ったな」


おい!
強烈ってなによ!
強烈って…。


多少気にする太陽だったが相手が身内でない不動峰だったので睨むだけで我慢した。


「………。」


周りの注目に浴びている事に気付いた太陽は「ドリンク作ってくる!」と言ってその場を逃げ去った。

結果的に恥をかいたのは太陽であった。












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あきゅろす。
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