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帝白物語 第1章
immensely2


試合は勝ったというのに二人は正座をさせられていた。


「本当面白い!」

二人にピースを送ってみると一応私にピースを送り返してくれた。


次の試合は黄金ペア。

そう呼ばれるだけあって相手を全く寄せ付けずに勝利してしまっていた。


なんとも早過ぎる試合であった。

シングルスの海堂も黄金ペアに続きいい働きをしてくれていた。


タカさんは一見弱気に見えるのだけれどもラケットを持つと…
「グレイトー!!」

とてもとても熱い人なのだ。

そんなタカさんもその後の不二も負ける訳もなく試合は全勝で通過する事ができた。


さてこのまま勝ち続けると予想だと当たるのは柿ノ木中だろう、そう思った太陽は柿ノ木中の試合を見に行った。



「お前は決して弱くないオレが強かっただけの話だ。」



なんじゃそりゃ。
だっさい決め台詞。


「あ…不二と手塚」

「やっぱ太陽も見に来てたんだ。さすがマネージャー。」

「ありがと…。」


先程のダサい決め台詞を吐いていたのが九鬼、という選手らしい。

どうやらすごく手強いという訳でもない。

青学に比べれば、の話だが。



「よぉ手塚、不二と…誰だこの女。」


多少カチンと来たが不二と手塚の友達ならば我慢しよう。

「今年入ったマネージャーです。」

とりあえず自己紹介はしてから一歩下がる。

そういう貴方は自己紹介もしないのか、礼儀なんてないんじゃないかと思ったが私にだから許そう。

まぁさっきのあのダサい台詞で名前は覚えましたけど。

許せないのはそのあとだった。

「本当は出れなかったんだろ」


その後手塚の腕をぐっと掴んだのだ。

「ちょっ!やめてよ!」

私がとっさに口を開いて止めにかかる。

「放せよ。」

私の言葉よりも手塚の方が倍の迫力があった。

九鬼はというとその手を離してグチグチと文句を言ってる。

「行くぞ。」

手塚はそれでいいかもしれない。
というか我慢してるんだと思う。


手塚は大人になりすぎなんだ。


「負け惜しみもほどほどにしてよね!そういうのって本当に見苦しい!」


太陽は九鬼にズバッと言葉を突き刺すと手塚達の元へと走っていった。

「随分な事を言ってきたね」

そう言う不二はくすくすと笑っている。

「だって言われっぱなしで悔しいじゃん。手塚も…」

「お前はムキになり過ぎなんだよ。あんなのは相手にしないのが一番だ。」

大人の考えを突き付けられて太陽も多少は落ち着く。

「なんだかんだ言って本当は嬉しかったんだよ、手塚。」


ナイスフォロー不二。

太陽は「そうだといいね」と機嫌を良くしている。

どんだけ単純なんだ。

次の水ノ淵中との試合もストレート勝ちをした。



次の試合は誰もが柿ノ木中だと予想していた。

現に去年は予想通り柿ノ木中だったから。



太陽は目を疑った。

「柿ノ木中が負けた。じゃあ…次の試合は不動峰…。」













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