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帝白物語 第1章
immensely1

「待ちに待った地区予選だぁー」

なに一人で盛り上がってんだろ。

周り誰もノッてないし。

「鏡見、お前は青学の試合を見るの初めてか?」

「手塚おはよう。初めてじゃないよ」

「……」
(という事は昨年か…。)

「さ、みんなも集まったんだからメンバー登録しよう?」


そう手塚に促す太陽に曇りは無い。

あったとしても無いように見せなくてはいけないのだ。

みんなに心配をかけてしまうから。

前回の件があってから太陽は決めているのだ。今回の試合はどうやら桃城とリョーマ君がダブルスを組むらしい。二人は元々シングルスプレイヤーだ。

一体何があってダブルスを組む気になったのか。大石と菊ちゃんは黄金コンビと呼ばれる位なんだからダブルスは予想通りだ。シングルスは海堂に河村(たか)さんに不二ね。

まぁ大丈夫でしょう。


手塚は…出ないんだね。


「私は乾に負けないように念のためデータを取ろうかな。」

乾まで完璧には無理だが。


1試合目の対戦相手は玉林中。


よく分からないけれど勝つ事に期待をする。


ダブルスのリョーマ君と桃ちゃんは分からないけれども…。


「アイツら何で急にダブルスなんだろうねー」

「確かに…って何か揉めてるよ」

菊丸と乾の話は途切れ、コートの方に注目が反れる。

どうやらあの2人を倒すためにダブルスを組んだらしい。


会話を聞いてればよく分かる。それに負けず嫌いの二人の事ならば予想がつく。


「「よし阿吽戦法だ」」

二人はそう言うなり試合を始めた。


真ん中を狙われたら終わりじゃないかな、と太陽が思っていると見事に真ん中を狙われた。


「絶対あの二人お見合いになるって!」


太陽はとにかく心配していた。


越前と桃城が取った方法とは…

「阿ー!」

「吽ー!」


―パシン―



二人の掛け声で真ん中の球はぶつかる事もなく綺麗に返った。


だけれどそれが決まっていたのも最初のうちだけだった。


二人が縦のラインに並んだ時、逆側の空いてるコートを狙われる。

二人はとっさに追い付こうとした。

これがまたぶつかる形になるとも知らずに。



「あっちゃあ…。」


やってしまった。

二人共一人の守る範囲がデカすぎて為る結果であった。


この弱点をどう改善するかな…。



しばらく点を取られた後だった。

「何をしてるんだ、あの二人は」

大石までもが疑問に思う行動と同様に太陽も同じく疑問だった。


コートの真ん中にラインを引いたのだ。


「なぁんだ桃先輩おんなじ事考えてたんだ」

「そうみたいだな」

そこからの二人はまさに『最強』という文字がピッタリだった。


見事二人はダブルス2は勝利を収めた。














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あきゅろす。
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