しばらくすると太陽の呼吸も楽になってきていた。
「景…吾…?」
「だいぶ楽になったか?」
「う…ん。」
やっぱり私は…
テニスをやっちゃいけないんだ。
「ごめん、今日は寝るね。」
「あぁ。」
太陽は降りてきたばかりなのにすぐに部屋に戻ってしまった。
部屋に戻った太陽が今泣いている事なんてすぐに予想がつく。
あいつはなんなんだ。
あの1年とは試合ができたのに。
今日に限って。
それに太陽が口にした名前。
『玲也』
それは誰だ。
ちくしょう。
むかつく、苛立つ。
あんな奴…どうだっていいハズなのに。
「っち。調べてみるか」
景吾のバカ。
アンタがここで私を見離してくれれば…私はずっと一人で生きていく事ができたのに。
景吾のあの優しい手から離れられなくなっちゃったじゃん。
それに気付くのはまだまだ先の話。
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