「葵!!」
授業の全てが終わり直ぐに葵の元へ駆ける。
「どうしたの?」
これは勘違いかもしれない。
それでもなんだか、葵がこのままじゃ苦しむ気がした。
「手塚を…好きなの?」
「……違うよ。」
目を背けて言った。
私に言うつもりは無い、そう思った私は何も言えずに「そっか」って言うしかなかったんだ。
「ほら太陽部活行くんだろ?テニスコートなのは一緒なんだから行くぞ!」
葵はいつもの様に笑ってくれた。だから私も笑うしかなかった。
その笑顔が本物じゃないと分かっていても。
「うん!ありがと。」
私達は本物の友達にはなれないかもしれない。
たったひとりの人を好きな事も打ち明ける事ができないのだから。
それでもいつか、打ち明けてくれる日が来るのならば。
それを信じる事に私は賭けるよ。
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