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帝白物語 第1章
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「景吾!おはよう」


さすがの私ももう食堂までの道に迷う事は無くなり朝一人でこれるまでになっていた。



「早いな。」

「今日は目覚めがよくて!」


今日の朝ごはんは和食だった。てっきり洋食しか出ないのかと思っていただけに少しビックリした。


「お前は失礼な奴だな。」

また顔で読みやがった。
悔しいけど私が悪い。

「…だってね。」

「黙って早く食え。」

なんて自分勝手な奴だ。

自分が言ってきたクセに…。

理由も聞いてくれないなんて。













「早くしろ、太陽!」

「ちょ、待ってよー」

景吾の長い足と私の短い足で歩く幅が違う為どうしても私は遅れてしまう。でも景吾は何だかんだで気を使ってくれてるらしくたまにゆっくりと歩いてくれる。



そんな少しの優しさが嬉しかったりして。



昨日と同じ様に車に乗せられる。

電車で行くって言ってるのに…。

「景吾、私電車で行くからいいよ?」

「いいから黙って乗れ。」




…俺様め!



けれど、ありがとう。




無事に学校に着く事ができ車を降りようとする。



だが、腕を捕まれて降りることができない。



「け…景吾?」


私の声にハッとしたらしく私の腕を離した。


「何でもねぇ、早く行け。」

「う、うん。行ってきます!」




景吾が何か考え込んでいた。

それは確か。


まだ会ってからたった少ししか時間がたっていないけれども、彼はいつも目をしっかりと何かに向けている。


でもそれが…

一瞬でも虚ろだったから。















「景吾様、いかがなさいました?」

「いや…無意識だ。」


そう本当に無意識。

太陽が行く、そう思ったら腕を掴んでいたんだ。



俺らしくもない。


「あのような景吾様初めて見ましたよ。」





ちっ、よく喋る運転手だ。


俺にだってな…



なんなのか分かんねぇんだよ。


















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