帝白物語 第1章
急なお話
「太陽!私達、海外で仕事をする事になったの!」
急に何を言うんですか?お母さん。
学校から家に帰ってくると話があるからとお母さんに呼ばれたんだけど…
「…はい?」
「それでね、この家は売ることにしちゃってるから」
てるからって!もう売ってんのかよ!
簡単にそんな事を言わないでほしい。私が14年間暮らしてきた大切な家なのだ。
「えぇー!?私は何処に行けばいいの!?」
1番気になるところだ。私も海外に行くのか、それとも理由は違うが施設に行くのか。
「あぁ、それなら友達に任せてあるから大丈夫!」
って友達かよ!ってか悪いでしょ!
「そんなっ…」
「もぉー寂しがり屋なんだから!」
プッチーンと何か頭で切れる音がした。
「ふっざけんなあぁー!」
それだけ言い放つと私は部屋に戻った。
「太陽、ごめんね。」
この時のお母さんの言っていた事なんて気にも止めなかったんだ。
馬鹿だな、私。
部屋の扉を開ければあらまぁびっくり。既にこの部屋は段ボールがたくさんあって荷物は中に綺麗に収納されていbチたのに…。」
本当に近いうちに違う所に移動する事が現実だと分からさせられた。
「引っ越すの明日だからねー」
お母さんの声が遠くから聞こえた気がする。
…お母さん。
もっと早くに言おうよ。
私にも心の準備が必要なんだよ。
「はぁ〜」
ついつい重いため息がもれる。お母さんとお父さんは昔から全てが急だった。
引っ越しだとか、旅行だとか、お出かけだとか…。こちらにも事情があるんだよ。父、母よ。
「まぁ…いいか。どうせだし。」
友達ならたくさんいる。
だけど…。
玲也…。
あんたがいないぢゃん。
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