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帝白物語 第1章
encounter3

さすが私立。住む環境も違ければ通う学校も私の様な一般市民とは全然違う。


「私なんかが来て良かったのかな…」

校舎に足を踏み入れたものの広すぎて何処がどこだか全くわからない。


私はもらった地図通りに進んでいたハズなんだけどな…。


「ここは何処だよー!」

「うるさい、馬鹿女。」








急に聞こえた誰かの声。
それも一発目から馬鹿呼ばわりされた。

「はい!?」

振り向くと容姿はめちゃめちゃ整っていて口が開いたまんまになってしまった。

だけど何か違和感がある。

髪は寝ていて目はキリッとしていて…小さい。



「こんな時間に何をしてるんすか。授業は始まってますよ。」


そーいうアンタこそ何してんのよ。
授業中なのはそっちも同じでしょーが。


私は黙っていのだけど顔に出ていたのか彼は私の心の声に答えるように続けた。


「俺は先生に頼まれた書類を職員室まで取りに行くだけ。決してサボりじゃないから。」




何なんだコイツは。

初対面でゴタゴタと…。ってちょっと待った!

今どこに行くって…。


「職員室!?職員室に行くの?」

「え?」

「お願い私も職員室に連れてって!」

手を合わせて私なりに精一杯お願いをした。
さっき馬鹿女っつた事は忘れてあげるから、サボりっつた事は忘れてあげるから!


「……はぁ。」




カッーチィーン。


何だそのため息は。
明らか面倒そうじゃん。


こんな奴に連れてってもらおうなんて考えた私がいけなかったんだ!



「もぉーいい!アンタなんかにもう頼まないから!」


私は名前も身分も知らない顔だけは良いむかつくコイツに思いっきり言葉を投げ付ける。


その後はどこを目指すか分からないままとにかく真っ直ぐに歩いて行った。





「…どぉっかで見た事ある気がするなぁ〜。まぁいっか。」







なんなんだアイツは!
失礼過ぎる!





ぐちぐちと独り言をいいながら足を進めていた。




だけれどそこで足をピタリと止める。


「あ…ここどこー!」

自分は知らぬ間にどこかへ向かっていたのだ。

さっきだってようやく人を見つけたと思ったあのザマだ。



「もぉやだぁ〜。かすみさーん。」

ついにはここにいない人物にまで助けを求め始める。





家だってあんなに広くて自分の部屋を覚えるだけでも精一杯なのにどうして、学校まで…。


その場に座り込もうとした時だった。


「そこの君、もしかして転校生の鏡見 太陽ちゃん?」



救いの声が聞こえた。


泣きそうな位悩んでいた私はもうこれ以上に無い感謝の気持ちでいっぱいだ。

「はい!そうです!」


すると先生は良かった、と言って私を職員室まで 連れて行ってくれた。


「ありがとうございました。」

「いえいえ、この学校広いからね。迷うのも分かるわよ。」


ショートカットで、それがまた可愛い女の先生。

あなたは女神様です!


「じゃあ今から色々説明するわね。」


その一言で空気は一気に入れ替えられペラペラと学校の事を説明された。



私の頭ではいっぱいだったけと整理はしてみる。先生は時々「大丈夫?」とか聞きがら説明をしてくれた。


今日なんかい心配されてんでしょーか、私は。


そこでついため息がハァと漏れてしまった。

「ごめんね、ここ大変で。でも色々すごいのよ。」


いやぁ、とんでもない。すごい事は一目見れば誰でも分かりますって、先生。


心のツッコミが先生に聞こえるハズもなくコント終了。【すいません】




「じゃあ今日はこれで終了!じゃあ明日この職員室によってちょうだい。そしたらクラスに連れていくから」



なんて親切な先生なんだ。この人は誰かさんと違って顔の可愛さだけじゃない。それだけは分かる!


「ったく!あのくそ野郎。」

「…だれの事??」


…うん、声に出してたんだね。私のアホ。

「いえ、先生じゃなくてその前に会った人ですよ。」


「あら、どんな人だったの?」


そう言われてヤツの特徴を一生懸命思いだす。














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あきゅろす。
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