[携帯モード] [URL送信]
青い温もり
すっかり街はクリスマスモード。


だんだん寒くなってきて、私には少し嫌な季節。


「うー寒いぃ…」


「マスター寒いんですか?」


私より一回り大きなカイトが心配そうな顔つきで覗いてきた。


「うんー。寒すぎる!」

両手を口元持ってきてハアーッと息を吹き掛ける。


白い息を見ると、なんだか更に寒気が増してきた。


そのとき、カイトの首周りに巻き付いた青いマフラーが視界に入る。


見るからに暖かそう。


「ますたぁ、何じっと見てるんですか…?」


「あ、ほら。それ暖かそうだなーって思ってさ」


私は人差し指でマフラーを指差す。


カイトは「ああ、」と呟き笑顔でマフラーを取り始めた。


あっという間にマフラーはカイトの手の中へ。


カイトがマフラーを取っているところなんて見たこと無かったからかなり驚いた。


「え、なに」

「一緒にマフラーつけましょうよっ」

「え、でも」

少しためらった。

だって、何か大切な意味があるんでしょう。
そのマフラーには。

前言っていた。

「これは大切な人から貰ったものだから、いつも身につけてるんです」

って。

そんなものを私なんかがつけていいのだろうか。

「どうしたんですか?いや、ですか…」

「や、嫌じゃないけど、いいの…?ほら、大切な人から貰ったものなんでしょ?」

「勿論ですよ。今はマスターが一番大切ですから。」

ほわっと首周りが暖かくなる。

カイトと距離が近い。



青い温もり


ありがと、私もカイトが一番大切。




[*前へ]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!