壁が多くて届かないよ
「マスター、私が男だったらどうします?」
貴方はマスター。
貴方は女。
私はボーカロイド。
私も女。
「ミク?どうしたの、急に」
「前から聞いてみたかったんですっ。私が男だったらマスターはどういう風に私に接するのかなーって!」
「うーん…。いつもと変わらないと思うなあ。いつもみたいに調教して、遊んだり喋ったりしてねっ」
無邪気に笑うマスターの姿が瞳にうつる。
そっか。
結局私はただのボーカロイド。
貴方の恋愛対象にはならないんだ。
やだ、そんなのいやだ!
私は、好き。
こんなに好きになってしまったのに!
でもこんなこと言えない。
気持ち悪いと思われる。
私は人間じゃないんだ。
私は男じゃないんだ。
「そう、ですよね!」
壁が多くて届かないよ
越えられない壁が私には多すぎる
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