>>>09
どの位キスしてたのかわからなかったけど、マックスの唇が俺の唇から離れ、解放される。
「………」
頭がボゥーっとしている。
そして現実に戻った俺はあわてふためく。
「あ…あああ、おっ俺…、俺、ナニしっ…ぬがぁあーーっ!」
「半田っ…半田っ」
マックスが混乱している俺の頬を両手で抑え、顔と顔を向き合わせ、見つめ合う状態になる。
「まっ…マックス」
「ゴメン、いやだったよね…キスなんてされて」
「い…いや、いきなりだったから…び、ビックリ…して…だから…でも、なんで…?」
「半田が…好きだから」
「え、今…何て?」
「だから半田が好きなの」
そう言って俺のコトを見ているマックスの頬はちょっと紅潮してて、瞳も少し潤んでいる。
「マックス…」
「僕、結構前から半田のこと好きだったんだよ、一緒にいると楽しくて、暇潰しで入ったサッカー部も半田と一緒だったからここまでやってこれたんだよ」
「……え…?」
「最初は半田のこと友達って思ってたけど、ずっと一緒にいる度になんだか、ドキドキして好きになってきて…さ」
もしかして、それって…。
「いつの間にか半田をずっと目で追ってたりしてた…」
「マックス…」
「って…、へへっ僕何言ってんだろうね、ゴメン半田…、男同士なのにこんなこと言われても気持ち悪いし迷惑だよね」
………。
そうか…。
…そういう事なんだ。
「ホントは言わない方が良いのは分かってる、もう親友じゃいられないかも知れないし…、でも僕のこの気持ちはちゃんと半田に伝えたかったんだ…」
「マックス…ありがと」
「……ぇ…?」
「俺もマックスのコト好きだよ、…それはマックスが俺に対する好きと同じ」
「…へ?半田今…何て?」
「だっ、だから俺もマックスのコト好きだって…」
多分、分かってたんだよな俺、…ずっと前からマックスが好きだってコト。
でもそんなことは無いって自分の心に言い聞かせて、この感情を勝手に殺そうとしていたのだ…。
それは相手が親友で同性の男だったから…、もしそれをマックスに言って拒否されたら、もう一緒にはいられないと思っていたから。
そんな恐怖から俺は逃げてごまかそうとしていた。
でもマックスは違った。
マックスにも俺と同じ恐怖や葛藤はあっただろう、でもマックスは言ってくれた。
俺が好きだと…。
俺には無いマックスの心の強さに、俺は殺しそうになっていた自分の心に正直になり、俺もマックスに抱いている本当の気持ちを照れながらもあいつに言った。
マックスが好きだ…。
嬉しそうに笑っているマックスは、俺に抱きついてきて、いきなりのことに体勢を崩した俺はベッドに倒れ込む。
俺の上で潤んだ瞳で嬉しそうに笑顔を見せるマックスの顔はとてもかわいくて、俺は顔を赤らめてしまっていた。
「エヘッ、半田大好きだよ」
「うん、もう聞いた」
「何回でも言うよ、大好きっ」
「あ…はははっ…」
俺はマックスの頭を撫でてやった。
「ねえ半田…ううん、真一って呼んでいい?」
「えっ…うんいいよ、俺も空介って呼んでいい?」
「うんっ、真一」
そういえば俺、初めて空介って名前で呼んだかも、自分も名前で呼ばれるの久しぶりで新鮮な感じではあったけど、なんだかむず痒かった。
「ねぇ、真一」
「ん?……ふっ…ぅん」
またも突然のキス。
でもさっきのキスと違って今度は空介が口の中に舌を割り込ませて、歯列をなぞってきた。
ビックリしたけど、俺も空介の舌に自分の舌を絡ませた。
たがいの唾液が混ざり合い、チュクチュクといやらしい音が耳に聞こえてくる。
「ん…ふっ……はぁ」
飲みきれなかったどちらの物ともわからない唾液は、俺の口端から零れて、頬に流れる。
口の中がこんなに感じるなんて思ったことなんかなくて、俺は息するのも忘れる位夢中で空介を求めるようにキスを貪った。
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