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悪魔の実と覇気とメイド様の涙【白ひげ海賊団でギャグ→切夢】




真実を悟り始めている自分がいた。
こんな時、熟思うのだ。
自分の頭のデキの良さに


『悪魔の実と覇気とメイド様の涙』

この世界へやって来て、二週間。
それまでに辿り着いた町で好みのシャンプーやサボン、下着や似たようなワンピースを手に入れて船の生活にもなれた頃
小夜子はその間にこの世界について理解しつつあった。

この世界は東西南北、四つの海に分かれており、横断する巨大な大陸「『赤い土の大陸(レッドライン)』そしてそれに対して直角に『偉大なる航路(グランドライン)』と呼ばれる世界一周航路が四つの海を分けている。

現在いるこの海はグランドライン後半の海『新世界』と呼ぶ。
新世界に君臨する四人の海賊を『四皇』と呼び、その一人がこの白ひげ海賊団の船長であるオヤジ様こと『白ひげ』と人々に恐れられている伝説の海賊、エドワード・ニューゲートである。

「いやはや…私は凄い船に乗っているのですね。」

本や船員達に聞いたこの世界の事情はとても面白いものだ。
例えば通貨、世界各国独自の紙幣やコインがあるものだがこの世界では『ベリー』という通貨が使われている。共通通貨であるが、国によっては自国の通貨もあるとか。

1ベリーは簡単に言うと日本の『一円』に該当する単位だ。
スターリングポンドや元に換算するより遥かに分かりやすいので例に出したが一円玉というコインがとてもチンケだったのを知っている。
あの差はなんなのだろうか。

話は逸れたがこの広い世界は現在、『大海賊時代』と呼ばれる海賊の黄金期真っ只中らしく海賊が多発している。略奪や争いが絶えないそうで物騒な世を迎えているみたいだ。
しかし、海賊の反対の立場の勢力も存在する。

軍隊、警察?と言えば良いのだろうか。
海での犯罪、または海賊が関わる事件などを取り締まる『海軍』という大規模な組織。

政府公認の七人の大海賊、『王下七武海』
はたまたその上には『世界政府』と呼ばれる巨大な組織がいるという。
世界政府は四つの海に存在する加盟国は凡そ170カ国以上、この巨大な組織の影響力は広大で測りしれない。

新世界の海では『世界政府』『四皇』『王下七武海』の三大勢力の均衡が重要だとかなんとか。


各々様々な特色を持つ国や島が沢山存在している世界
空に浮かぶ島、海底深くにある人魚や魚人達の国、春夏秋冬の気候に分かれた島々、雷が降る島や巨人の住む島、世界地図を眺めるだけでも飽きない程好奇心擽られる世界が広がっている。

『面白い世界ですね』

まぁ、自分は正義でも悪でも関係はない。
たった一人の主人に仕えている使用人の分際だ。化け物共や人でなしを殺しまくり、諜報活動に影で暗躍していたカタギの人間ではなかったこともこの世界では過去のこと。
今は海賊船の居候をしている『一般人』である。

しかし実に、好奇心擽られる

モップがけしていた片手を止め、もう片方の手に持っていた本をぱたんと閉じる小夜子。

この世界は自分がいた世界とは違う。
17世紀、18世紀の生活水準に見えるがこの世界には『悪魔の実』と呼ばれる不思議な果実が何種類、何百とある。
悪魔の実を食べるとカナヅチになる代わりに人間離れした特殊な能力を得ることができるらしい。世界のどこかに悪魔の実がなる木があり、一つとして同じものはない。
二つ実を食べることは禁忌であり、能力者が死ぬとその能力の悪魔の実がまた木になるそうだ。

先程読んでいた本は『悪魔の実図鑑』
実に興味深いものだ。
まだまだ不明点が多々あるようだが、確認されている悪魔の実の能力はどれも心が踊る非現実的なものだった。

そういえば…

「この船にも沢山いらっしゃいましたね。」

会いに行こう、奇想天外な能力者達に




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「マルコ様はどのような能力がおありなんですか?」
「藪から棒になんだよぃ」

「悪魔の実の能力者、この船には何人かいるのだとお聞きしまして…是非、それを見てみたいのです。」
珍しくキラキラと目を輝かせて、こちらを見上げている小夜子にマルコは笑みが溢れた。
こうして見ると年相応に見える。

青い炎の一片が小夜子の視線を掠めた。小夜子は幻か夢を見ているようだった。

マルコの姿が消え、青い炎を纏った大きな鳥の姿が現われた。優雅に長い尾羽を翻し、眼前で自由に舞っている。

「あれは…火の鳥、不死鳥でございますか?」

火の鳥、と聞いてロシアバレエのあの名曲が頭に流れてきた。青い炎を纏った火の鳥はゆっくりと降りてくると人型の姿に形を変えた。
マルコである。

「てなわけだよぃ」
「はい、目元はマルコ様でございました。」

「そこかよぃ!」
「はい。不死鳥ということでございますね?素晴らしい能力じゃないですか…怪我を負うこともない。」

「…覇気を纏えば能力者と戦えるよぃ。」
「覇気?」

そこからは『マルコ先生の特別講座』である。
小夜子はメモを片手にマルコの話を真剣に耳を傾けた。

「能力者は基本的に攻撃する事は難しいよぃ。でも、武装色の覇気を使えば能力者に攻撃を与えることができる。見聞色の覇気を使うことができれば相手の先の一手を読んだり、気配を感じることができるよぃ。」
「成る程…私も習得出来ますか?」

「修業すればこれらの覇気は習得出来るよぃ。だが、覇王色の覇気は人による。そこはオヤジに聞けばいいよぃ」

胸が高鳴る。
凄い世界じゃないか、今まで戦ってきた『人でなし』の化け物共とは違う見たことのない能力を持つ人々がごまんといると言う。

「この船にご厄介になっている間に私もまだまだ勉強する事が沢山あるようですね。」
小夜子は笑みを湛えながらカチューシャを取り、エプロンを外すとそれを近くにいた白ひげ海賊団の下っ端らしき男に預けるとワンピースの中に手を突っ込んだ。

太腿に嵌めたホルスターから愛用のナイフを両手に持つと、構えた。

「では…お相手、願えますか?『お兄様』」
「お兄様は止めろよぃ…気持ち悪い」

「旦那様、と言うガラではないでしょう」

小夜子とマルコは互いににやりと笑うとそれ合図に互いに距離をとり、互いの方へ走り出した。
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キィンッ、キンッキンッ

刃を交わし合う音も、銃の引き金をひく感触も、血と砂埃と硝煙の匂いも
死と隣り合わせのこの瞬きも胸を高鳴らせる。

人を殺し、化け物を殺し
ただ、美しい主人の為にこの身を磨いてきた。生まれた時から人でなしのどうしようもない出来損ないの自分に手を差し伸べてくれた主君の為に、メイドであることを選んだ。

この装束を纏っている間は可愛いメイドの小夜子であると約束したから。
この手は誰かを守る為にあると教えてもらったから。

「心が、踊りますね」
「とんだ、跳ねっ返りだよぃ。」

キンッキンッと刃が跳ね返される。
凄い、これが悪魔の実の能力者。
刃がすり抜ける、この刃が通らない。
その喉首を、手を足を擦りもしない。

「とても、興味深い…身体ですね。他の方々もこうなんですか?」
「能力にもよるよぃ、超人系、自然系、動物系…どの能力者と戦うにしても武装色の覇気は使えた方がいいよぃ。この先どう転ぶにしても」

動物系幻獣種、不死鳥。
それが彼の能力、両手を羽に変えて蹴りを飛ばしてくるのを避けるので精一杯だ。

飛び蹴りで腹部を狙うが、まるで霧のようにその身体はすり抜ける。

「身体の周りに見えない鎧を纏う、そんなイメージを持つよぃ。」

この脚は、この刃は誰よりもどんな物よりも鋭く、切り裂く。
小夜子はふと、この短い時間で何かを得ようとしていた。その瞬間、一瞬緊張の糸が切れた。

次の瞬間には吹っ飛ばされて、海に落ちていた。

ドボオォンッ!

「マルコ隊長!やり過ぎですって!」
「誰か、浮き輪を!早く!」
「小夜子ちゃーん!大丈夫か!?」

「…殺し合いにやり過ぎもなにもないよぃ。」

マルコは海に落ちて、ぷかりと背を海面に浮かばせて空を見上げる小夜子の姿を縁に肘を置き、見つめた。

心が踊った。
血が滾るような興奮が、あの黒い目がこちらを真っ直ぐと射抜くように見つめてくる度に湧き上がった。
いつもの柔らかな眼差し、物腰の中に強い、殺意を、興奮を感じ取った。あれは、確かに殺し合いの殺意だった。

船員達に引き上げられた小夜子は纏めていた髪を解き、水気を絞り、前髪を掻き上げると満足げに笑った。

「本当に…世界は広うございますね。いやはや、まだまだ未熟です。」
渡されたバスタオルを微笑みながら受け取り、乱れた後ろ髪を外して張り付いた後ろ髪を後ろへ流す小夜子。

ずぶ濡れに重くなったワンピースの背中のホックを下ろして、ばさりとワンピースを足から抜くとワンピースの塊をバスタオルに包み、それをまた周囲にいた船員に渡す。

「後で洗いますから、少し持っていて下さい」
「お、おぅよ。」

小夜子はそしてまた手に持っていたナイフを構えた。

「一瞬、なにかが見えました。もうひと合わせ願います。」
「次、ぶっ飛ばしたらストリップするのかよぃ」

「身ぐるみ、剥がしてみますか?」
腹掛にボクサーパンツ姿の小夜子はオーバニーソックスを留めている靴下留めとホルスターが一体になったそれをなぞるとまた走り出した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「いやはや…奥が深いです。覇気…とは。」
マルコと手合わせをした後、武装色の使い手であるビスタと手合わせをする羽目になった小夜子は珍しく息を切らしながら船の甲板にへたり込み、壁にもたれて空を見上げた。

晴れ渡った雲一つない空は青から橙色に染まりつつあり、美しいグラデーション色が視界いっぱいに広がる。

人間離れした人間がこの世界には沢山存在していて、自分はその世界の中でちっぽけな小僧で小娘で諜報員くずれのクソ生意気なガキで
精巧な現代技術を屈した重火器も銃もない、携帯電話にインターネットも存在しない時代錯誤な面白愉快な世界で馬鹿みたいに無力さを噛み締める羽目になった。

身に纏った洗剤で洗い直した乾きたての温かいワンピースの布地を膝あたりで握りしめた。

「…悔しい」
誰にも聞こえないほど小さな声でそう呟いた。
この世界で自分はなんてちっぽけなんだろう。

悪魔の実、覇気、海楼石、今日自分は多くを学んだ気がする。
その目で見て、この愛用のナイフだけではこの先厳しいのかもしれない。
あちらの世界で使っていた銃達が今は懐かしい。

「連射性の良い、殺傷能力の高い銃とか…この世界にはまだないのでしょうか。」

銃より体術を磨いた方が良いのかもしれない、聞けば能力者には普通の銃は効果を成さないようだ。

剣術はビスタ様が稽古をつけて下さると言っていた、能力者と戦いたいのならマルコ様やジョズ様がつけて下さると言ってくださった。

「お嬢様、小夜子は頑張りますよ。」

いつだって、前を向ける。
どんな時にだって絶望しない。
それが自分の長所だと言ってくれる人がいたから。

「あぁ、夕食の準備を致しましょうか。今日はもやし炒めでも怒りませんかね。正直、食欲がない。」


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食堂のテーブルに並ぶメインディッシュに船員達は開いた口が塞がらなかった。

「なんじゃこりゃ!」
「サッチ様、本日のご夕食はもやし料理のフルコースでございますよ。あと、ローストビーフです。」

得意料理なのですよ、と大きな肉の塊を乗せた銀の盆を両手に持ってこちらへやって来たいつものエプロンとカチューシャを身につけた小夜子

「もやしのスープ、もやしのお浸し、もやし炒め、もやしの和風グラタン、もやしのチヂミ、もやしあんかけ等他にも多数色々ご用意致しましたよ。和洋中色々作ってみました。
あと、ローストビーフは私の得意料理です。付け合せにはベイクドポテトと温野菜を、マスタードもご用意致しました。」

お酒を召し上がるなる、良いおつまみになると思いますよ、とローストビーフを切り分ける為のカービングナイフとフォークを両手ににこりと微笑んだ小夜子

机には嫌味か!とでも言わんばかりにもやし料理が並んでいる様は圧巻だ。

「もやしは栄養豊富な上、とても経済的な野菜ですよ。こちらの世界にももやしがあると知った時は本当に感動致しました。」
「で、なんでもやし?確かにうまいけど」

「本日、ビスタ様に『このもやしっ子』と言われたものですから…それにかけてみました。」
「ビスタアァアアア!お前のせいか!小夜子ちゃんはなぁ、華奢で貧乳なのがステータスなんだぞ。傷ついてんじゃねぇかおい!生脚魅惑のメイド様だぞごらぁ!」
「サッチ、俺は小夜子に細くて色白だから傷がつくのは惜しいと言っただけだぞ…傷つける気は」
「それはそれでセクハラだぞ!」
「落ち着け、サッチ。色々話が噛み合ってなくておかしいことになってるよぃ。」

「さて、ローストビーフはどれほどの分厚さにお切り致しましょうか。」

よく焼けた肉塊に慣れた手つきでローストビーフに刃をいれる小夜子
その手つきがなんだか、恐ろしくて一同は生唾を飲んだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーー


「昼間マルコ達にたっぷりしごかれたみてぇじゃねぇか。」
「そちらはご安心を、受身をとりましたので怪我などはしておりませんよ。」

「そいつは良かった。グラララッ」

白ひげの身体のサイズに合わせてもやしを挽肉と混ぜ合わせて焼いた特大餃子が三つ乗った皿と魚介類のブイヤベースと良く分からない組み合わせの料理を差し出すと、それに合わした酒の瓶を抱えて手酌をする小夜子

「エドワード様。」
「どうした」

「この先、どう転ぶにしても…私、強くならなければならないと思うのです。私は、弱い」
「…」

強くなければなにも守れない。
自分の死に方すらも、選ぶことは出来ない。
小夜子は経験上、それを痛いほど理解していた。

それをだ、この不思議な世界に落とされた。
何故、自分がこの世界に落とされたのか分からない。帰り道も帰る方法も未だ分からない。

「帰らなきゃいけないのに…思い出しくなかったことがあるんです。あまりにここが居心地が良すぎて忘れそうになっていましたが」
「なんだ?」

「私、多分…いえ、本当は18歳じゃないんです。この体は18の時の身体ですが、どこかで記憶が混じっていて覚えていなかったのですけれど…私、あちらの世界で83歳の時、自らの命を断ち切りました。」

どうして、18歳の頃の身体に戻ったのか。
仮説だが、あの時が一番の伸びしろで一番いい意味でも悪い意味でも濃密な時を過ごした時だったからだと思う。
小夜子は微笑んだ。

「お仕えしていたお嬢様の死後、所属していた組織が解体されてお屋敷の片付けをして、お嬢様の遺言通りにお屋敷を燃やして……全てを綺麗にしたあとで」

シュッと小夜子は太腿のホルスターからナイフを取り出して、自らの首に刃を向けた。

「喉を掻き切って、死んだ筈だったのです。」

苦しかった。悲しくて息が詰まりそうな毎日でした。
お嬢様が亡くなって、今際の際に『これからは自由に生きろ』と言われたけれど
でも、私の心は……

「とっくに…とっくに死んでいました……っ」
小夜子の手からするりとナイフが落ち、小夜子もそれと同時に崩れ落ちた。

ぽたりと雫が床に落ちた。
ぽたり、ぽたりと床を濡らしていく。
声がだんだんと涙がこぼれ落ちていくと逆に小さくなっていった。それでも笑っているのが痛々しかった

「お嬢様が…息を引き取った時に……私も…連れて行って欲しかった……っ」

伝えて、おけばよかった。
自分の想いを、伝えておけばよかった。

使用人の分際で厚かましいと身分違いだと自分で自分の首を締めて、結局後悔しか残らなかった。
だからせめて、少しでも傍にいきたくて
少しでも近づきたくて、自ら命を捨てたけれど

「なにも…報われ…っなかった。今は…全てが、この世界が夢に思えてしまいます。」

白ひげは崩れ落ちて床に座り込んだ小夜子を抱き上げてまた椅子に戻った。大きな手のひらで小夜子の背をとん、とんと叩いた。
心地いいテンポであやす様に叩く。

覇気を剥き出しにした鬼のような白ひげからは想像できないような、優しい壊れ物を扱うかのような力加減はまるで泣く我が子をあやす父親そのものだった。
慈愛に満ちたその手に、小夜子は目を大きくした。

「お前は自分を卑下し過ぎだ、アホ
んだらぁ。」
「…っ」

「お前がここに来たのは、きっと運命がお前に生きろって言ってるんじゃねぇか?」

自分を犠牲に報われなかった人生を今度は自由に生きろって、チャンスをくれたんじゃねぇか。

「お前の好きなお嬢様だって…幸せになれって願って死んでいったんだろう?なら、ここで生きればいい。小夜子、お前の人生
は始まったばっかりじゃねえか。グララララッ!」
「…っ」

「行く場所が無いのなら俺の名を背負って自由に海賊として第二の人生を生きてもいい。お前はなんだってできる、どんな選択をするも自由だ。お前がどんな道を歩くことになったとしても」

“お前はおれの可愛い娘だ。”

ぐさりと胸を貫かれたような言葉だった。
見上げた視界はもう涙でぼやけてよく見えないが、笑っているのが小夜子には分かった。

「だから今度は自分の命を粗末にせず、生きろ。辛い時は泣いていい、頼ってこい。死ぬなんて悲しいこと言うんじゃねぇ」

涙が止まらない。
この温かい手の感触を私は知っている。

『もう誰も殺さなくていい。嘘もつかなくていい。自分を偽らなくていい。お前の名前は小夜子、新しい人生を生きろ。』

この光を、私は知っている。
温かくて、眩しくて…そして、いつか失ってしまうものだと。

「ひでぇ顔だ、グララララッ!ほら、拭け。お前に泣き顔は似合わねぇ」
「っ…う、汚れて、しまいます。ひっ、っ!」

『お嬢様、第二の人生を私は少し生きてみようと思います。』

.

(この方達に、救われた命をその最後の日まで)

『実は私、男だったんです…娘と呼んでいただいて嬉しいのですが…』
『そいつは知らなかった。』
『でも、ややこしいので娘で結構です。』


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あとがき

椿です。
最初ギャグ路線だったのに今回後半が切ない感じになりました。
いつもなんでも完璧にこなしてしまうメイドの小夜子ちゃんですが、実はここに来る前は悲しい生涯を閉じた故人だったのです。

少し説明すると、
H○llsin○の最終巻である時勢から模造した数十年後お仕えしていたお嬢様が老衰で死去、その後機関は解体され、一部機関機能は政府機関に吸収。小夜子ちゃんはお嬢様の遺言に則り、膨大な資料ごと屋敷を処分。最後に自らのあらゆる存在記録を削除し、自殺。そしてこちらの世界へピッチピチの18歳の姿に戻り、トリップ!という流れでやって来ました。

さて、これからどうなっていくのでしょうか。次の更新でお会いしましょう!
椿

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