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悪徳の華*【第二部/モブ出演/裏表現含む/シリアス/ドフラミンゴ夢?】


夢を見た。
薄紫色の垂れたあの花に囲まれた、あの人の夢
僕は手を伸ばす。
どんなに手を伸ばそうともその手があの人に届くことはなかった。

貴方を忘れたい
でも、貴方にもう一度…もう一度だけ会いたい。


【悪徳の華】


聖地マリージョア、五老星の間

「寵姫、無事の帰還何よりだ。」
「皆様方には…ご迷惑をおかけしました。」

フジは五人の男達の眼前にいた
椅子に背筋を伸ばし、男達の前に毅然と座る姿は凛としている。

これが…この人達が、五老星。
世界政府の頂点に君臨する地位にある人々
目の前にするのは二度目だ、一度目は天竜人達に見初められた時。今回は二度目だが以前は顔を見るどころではなく、ちゃんと見るのはこれが初めてだ。


「寵姫、貴方の存在は今回の事件で世間に公開されてしまった。」
「それを掻き消す事件があってよかった。白ひげ海賊団の二番隊隊長、ポートガス・D・エースの公開処刑…これと無い大事件だ。」
「今海軍本部は此方に忙しい、今回のようなことはもうないようにしてもらいたいものだ」

会うのは二度目でもやはり好きにはなれない。
自分にとっては良い思い出はないからだ。

「我々は貴方を脅威と見ている」
「脅威…でございますか」

「天竜人の正室、成り上がりではあるが貴方の影響力は末恐ろしい」
「まさに傾城だ。今まではまだ世界貴族の社交界だけだった…が、今回の事件で世間に少なからず出てしまった。」

「それに何の意味があると言うのですか?…たかだか世界貴族に嫁いだ『女』というだけではありませんか」

十の眼がフジを貫く
冷たい、その目は年寄りにしてはあまりにも鋭い。
フジは思わず眉間に皺を寄せてしまった。心が挫けそうになるのを耐える術を心中探しているのだ


「寵姫、その異名は今までは殆ど伝説か嘘のような存在だった」

創造主の末裔である天竜人の正室
傾城の名に相応しい類い稀な美貌
見た者を惹き付ける『魅了』の力
社交界の華と謳われる影響力
今までそうしなかったが世界貴族を意のままに操ることも可能である

「貴方の影響力、人を惹き付ける力は末恐ろしい」
「覇気とは違う、今まで前例がないその力は脅威だ」
「今までは知らぬ人間の方が多かったが表舞台に立てば…何が起こるか分からん」
「トラファルガーの行動には驚いたが、もし奴に何か入れ知恵をされたとしたら」


「…率直に仰って下さい。」

「『なにもするな』ということだ、寵姫」

五老星の目的は寵姫という存在を世間から忘れさせる事だった。
新聞にはもうこれ以上情報を載せたくはない
今まで通り、社交界以外の公の場に出ることを控えれば世間もそう食いつきはしない

今まで通りの生活を時が来るまで、過ごせと

「今まで通り、世界貴族達に犯されろと。屈辱に一人堪えろと。仲間を人質に笑えと仰るのですね」

与えられた籠の中で愛され続ける、それが役目だと?

「寵姫とは……っこの世界で一番卑しい、穢い、家畜以下の名なのですね。」

下唇を噛み、そう言い放つ事しかフジには出来なかった。

「奴隷と蔑まれないだけ良いと思うが」
「なに不自由無い生活を送れている、ならばその代価など軽いものだろう」

残酷な言葉だ

美しい着物や宝石
食べきれないほどの豪華な食事
毎夜のように開かれる社交界の催し、その代価が自らの身体と束縛だと言うのだから残酷だ。

抱かれるのは当然だと
毎夜違う男に犯され、それを毎夜誰かに見られ、偽りの愛を囁き、懇願するのが当然だと言うのか

「私を…解放してください。」

そんなもの要らない
金も
名誉も
綺麗な着物も
美しい絵や宝石も
美味しい食事も
豪華な部屋も要らない

自由が欲しい、それだけなのに…それは我儘だと言うのか。
フジは頭を下げた。がそれは無意味だった。

「それは出来ない、彼らが飽きるまでその務めを果たせ」
「…っ」

なにも言えなかった。
誰に言っても同じことしか言わない
助けなど此処にはないのか

「寵姫は楔だ。」
「世界の秩序を乱されては困る」
「世界貴族をこれ以上世間に出さぬ為に」
「犠牲を出さない為にも」
「その身を以て食い止めろ」

「女と偽るにも…限界が来ます!!もうこれ以上は隠せません」

「聖地でなら、 バレていても構わん」
「何の問題はない」
「これ以上世間に出なければ男だということもそう分かりはしない」

絶望に叩き落とされた気がした。
なんてこの世界は残酷なんだ。

「…っ…う」

なんて、悲しい世界なんだ。

「今までと同じ、『寵姫』としてこの聖地に君臨すれば良い」

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※注意、以下の文章は裏表現含みます。
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パンッ、パンッ

「っう…ぁ、や」

後ろから覆い被さる男の巨体の重みを背に感じながら激しく突かれる。
抉るような激しい挿入はしつこいくらいに弱い所を的確に攻め、髪がその度に揺れるのが鬱陶しい

「魚に犯される姿も一興だえ」
「おぞましいものがあの身体に入ってるなんて考えるだけで…あぁ嫌だアマス」

お仕置きだと言われた。
前に口答えした罰を帰って早々に実行に移されたのだ

ロズワード聖が所有する奴隷である数人の魚人に代わる代わるに後孔を突かれては中に出され、口に突っ込まれ、手でしごく。

「んんっ…ふ…ぐぅ!」

髪を軽く引っ張られて口の中にそそり勃った逸物を咥わえさせられたのは何度目か。くぐもった嗚咽が合間に出る

着物を半ば脱がされ、帯もそのままに身体や髪、顔に白濁液をかけられて生臭い独特の臭いと味に噎せ返りそうに何度もなりながら腰を振っている。

フジは跨がるような体勢に変えられ、下から突かれるたびに身体を震わせた

グチュッ…グッ、ズッ

「ん……ふっ…う!!」
達したのか口の中に白濁液を吐き出され、どろりとしたそれが涎と雑じり口端から溢れては顎を伝う

「あっ…はぁ!や…深い、っ」

背後から薄い胸をまさぐられ、ぴんとはしたなく勃った乳首を指で転がすように弄られ、逸物をしごかれる

「淫乱、フジは男なしじゃ生きられないアマスね」
観覧していたシャルリア宮がそう溢したのをフジは聞き逃さなかった。

「…っあ、…だ。やだ…だめ…イッちゃ」

ズンと奥深くまで腰を打ちつけられてフジはびくりと大きく震えた。
自分の逸物からとろりと白濁液が溢れるのが嫌な位分かった。

あぁ、厭らしい
自分はどうしようもないくらいの淫乱なんだ
男なのに、男に抱かれてどうしようもなく感じてしまうのか

「あ…そんな…んっ……達した、ばかりで」

まだ余韻の残る身体を他の魚人が抱き抱えると立ち上がり、後ろから抱き抱えるように後孔にその人間とは違う長大な逸物を挿し入れると思わず爪先がぴんと伸びる
足袋を履いたままの脚が妙に厭らしい

フジは一息着く間もなく与えられる刺激に喘ぎ声を漏らす。

「はっ…や…ぁ!!大き…い」

身体の大きな魚人達と比べると華奢で小さなフジが犯され、嫌々ながらも髪を乱しながら感じている様は男女関係なく心昂る

その証拠に観覧していたチャルロス聖、ロズワード聖の股間は布越しにも反応しているのが分かった。

「魚人、フジをこちらに持ってくるアマス」
シャルリア宮に命令された魚人達は中のモノもそのままに三人が陣取るように座った椅子の前まで歩み寄る

「んんっ…っ!!……ふっ」

屈辱だ、こんな屈辱はない
人前ではしたなく声を漏らしながら腰を揺らすなんて…そして、それに抗えない事が何より悔しいのに泣くことしか出来ない

力なく、フジは自分を背後から攻め立てる魚人の男の身体にしなだれるように凭れて頬を涙で濡らしていると前髪をぐいと引っ張られた。

「海賊の前でもそうやって甘えたアマスか?厭らしく命乞いした?」
「…っつ…ぅ」

引っ張られた反動でずるりと後孔を突いていた男根が抜けると、シャルリア宮の顔がずいと覗き込む。

「可愛いフジ…こんなに、腫らして。」

とろりと脚を伝い落ちる白濁液の感触
そしてシャルリア宮の細い指が小さく痙攣する後孔に勢いよく突っ込まれた。

「っ!?」

ぐちゅっ!、ぐっ…ぢゅくちゅ
粘着質な水音
フジは背後の魚人に身体を支えられながら身を捩るしかなかった。

「嫌…っいやです!…シャルリア…様っ」
「何…?女のわらわに鳴かされるのは嫌アマスか?」

ぐっ

「んぁ…あぁっ!!」
「生意気アマス。」

ふるりと濡れた自分の逸物を掴まれると同時に後孔の『弱い』場所を爪で抉られる。
達してしまった。自分とそう変わらぬ女に…。
フジは乱れた息を落ち着かせようと呼吸を繰り返す。

「っ……どうか…お…許しを」

限界だ、感覚が麻痺してる。
気持ち良いのか痛いのか気持ち悪いのか、吐きそうなのかすらもう分からない。

疲れた

「フジ、お兄様もお父上様もまだアマスよ。ご奉仕するアマス」

もう嫌だ、もう…嫌だ。

「っう…く」

地獄だ、此処にいる以上自分には安息の地などないのだと思い知らされる。















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おぞましい行為は夜が更け、地平線が日の光に霞始めるまで続いた。

腰が痛い、下半身が痛い。
髪も身体も清められた筈なのにまだ臭いが残っていそうで気持ち悪い

昨日に引き続き、フジは世界政府に来ていた。
今日は書類確認…一日で終わらせてくれれば良いものを

フジは進まぬ足を無理矢理動かしていた。

薄紫の小袖、飾り襟は白のフリルと赤を挿し色に。
濃紺の羽織りを着ていた
髪は以前のようにハーフアップに青い蝶の髪留め
あれやこれやと使用人達にされるがまま行きたくもない場所を現在憂鬱に歩くフジ。

何度目かの溜め息を着いていた時だった。
ふと足が止まった。

『え…な、んで…っ足が』

動かない。
まるで石のように固まってしまった自分の足
どんなに力をいれても動かないではないか
これにはフジも憂鬱を一瞬吹き飛ばし、焦りだす。

ぐいっ

「っ!?」

動かなかった足が動いた、やっと反応したと思えば近くの扉の前まで歩くと手は勝手に扉を開かせた。
もうなにがなんだか分からない
ただでさえ調子が悪いのに、なんだというのか

意に反し、とある一室に入ったフジは扉を閉めた

「フッフッフ…やっと会えたな、お姫様」

窓際に足を組み、どかりと座ってそう口を開いたのはやけに大柄な男だった。
自分の数倍はある大男だ
一体誰だろうか
政府関係者か?でなければ此処にはいないだろうし

金色の短髪に変わった形のサングラス
薄桃色の羽根がたくさんあしらわれた上着が特徴的だ
大きく開いた胸板は逞しく、鍛え抜かれていた。

「どこかで、お会いしまして?」
「いや、生で会うのは始めてだ。フッフッフ、写真よかずっと別嬪だな」

頭に疑問符が過るが今はそんなことどうでも良い。
足がまた意に反して勝手に動き出すと男の近くに歩み寄る
するとどうだ、男は手招きするように指を動かしているではないか

フジは驚きながらも近づくしかなかった

「っ…これは、貴殿の所業ですか?」
「あぁ…心配するな、なにもしねぇさ」

足は言う間にも男のすぐ近くに歩み寄ると男は組んでいた足を下ろした。
嫌な笑みだ、何だろうこの胸騒ぎは

「貴殿は…」
「おれか?おれはドンキホーテ・ドフラミンゴ」

「ドンキホーテ…ドフラミンゴ様」
「海賊だ、今は王下七武海だがな」

聞いたことはある名だ、多分海軍本部で聞いたのだろう
世界政府公認の七人の海賊達
軽く首を傾けているとドフラミンゴはフジの首輪を撫でた

「っ…!?」
「ほぅ…こいつぁ、そこいらの奴隷の首輪とは違うな」

「……お分かりですか」
「あぁ、ちょっと詳しいもんでな」

ドフラミンゴはフジの首輪をなぞるように指でその感触を確かめるよう触る
欲を孕んだ指の動きに見えるのは気のせいでない

「流石、寵姫と言った所か」
「島ひとつ…爆発できる代物だと言っていました。」

発信器、遠隔操作、爆発機能
人買いに売られた奴隷がつけられる首輪とは作りが少しだけ複雑だ。と聞いたことがある
自分から外すことは出来ない、外すにはチャルロス聖が持つ鍵が必要だ

無理にはずせば島ひとつを殺してしまうほどの爆発と共に自分も死ぬ
自分の命を握っているのは彼らの指先ひとつ
これは脅しなのだ
逆らえば自分以外の人間が大勢死ぬと
それがこの首輪の力、そして恐怖だ

「外してやろうか、これ」
「!?」

フジは目を大きくした。
初対面で何を言われたかと思えばこの忌々しい首輪を外してくれるというのだから驚く。

「何を言って…」
「その代わり条件はある」

「無償の益はないということですね」
「物分かりが良い奴はきらいじゃねぇぜ」

首輪を撫でていた手がするりと後ろに回されてうなじにと大股広げたドフラミンゴの足の間でフジは口端をかすかに上げて微笑んだ。

笑うしかない
でなければ、この威圧感に立つこともままならず崩れ落ちる

「ンフフフフ…良い目だ。おれが怖いか」
「怖いですよ…海賊なんて」

「ローに拐われたのにか?」
「…。」

「本当のとこはどうなんだ?どこまで触られた?あんたほどの別嬪だ、手を出さないなんて男の名折れだろう?」

思わず身体が軽く跳ねた
びくりと震えたには訳がある
項を触られたのだ。指で確かめるように髪を掻き分けてなぞる。

そしてその手は頬を撫でる

「イイ目だなぁ、あんた。変態共の相手をさせとくだけには勿体無いよな」
「……」

フジは眼前で笑うドフラミンゴを見据えた。

危険だ、この男。
何を考えているのか分からない。

「……」
「ん、なんだ?」

フジはドフラミンゴの手を取ると誘導するように自分の股ぐらを触らせた。
その感触にドフラミンゴは視線を下げる

「生憎ながら……私は男です。」
「積極的だな、おい。」

反応していないとはいえ、柔らかい男の逸物を触らせられて動揺していない素振りにフジは驚いた。
少しは驚いても良いのに、彼は先程と変わらず笑っている。

「驚か…ないのですね」
添えていた手を離すとドフラミンゴは股ぐらから手を離し、フジの細いゆるやかな柳腰に手を回した。

「驚いてるさ…!フッフッフ、そうか。成る程な…男だったか」
「えぇ」

腰に回された手がドフラミンゴの方へと引き寄せる。

「なぁ、お姫様よ。あんた仲間を人質にとられてるらしいじゃねぇか」
「……よく、ご存じで」

「助けてやろうか?そいつら纏めて自由にしてやろうか」

今なんと言ったか。自由に、してやると?
フジは目を大きくした

「本当…ですか?皆を助けてくれると?」
「但し、見返りは頂くがな」

首輪も外してくれる
仲間も解放してくれる
なんて甘い囁きだろう、そんな事を言って騙すつもりなのか。
見返りなんて何を要求してくるのか分かったものではないが、聞いてからにしてから考えた方が良いのか

「見返り…一体何を私に要求しますか」
「安心しな、あんたにしか払えないもんだ」

次の言葉を待つと彼は口を開いた

「おれの愛人になるってのはどうだ」
「なっ…!?」

思いがけない言葉だった
男の自分に愛人になれと言うのだから笑ってしまう。何を馬鹿な世迷い言を言っているのか

「そんな事…っあの人達が許す訳がないでしょうっ!」
「そこいらはなんとかしてやるよ、口利きはできるからな。それにお姫様程の身分なら男を囲う位できるだろ」

とんでもないことを言うものだ
フジが呆気にとられているとドフラミンゴはその口を閉じずに話を続ける

「トラファルガーの野郎があんたに随分ご執心みたいだなぁ、あんたの情報を寄越せと言ってきた。」
「今なんと…」

ロー様が…?
僕の…情報を欲しいと言っているのだと?

ドフラミンゴは驚いているフジの長い髪を一摘まみするとゆっくりとした動作で口に近づけた。

こんなに遊び人に見えるのだがどこか品があるのはそこらの蛮行を働く下品な海賊とは違うようにも見える。

「お姫様がおれの愛人になれば動向を奴に知らせる事が出来る、一石二鳥だろう?」
「どうして…ロー様が」

「さぁな、で…どうする?」

愛人、話をするだけとは思えない
この食えない男は何を考えているのかも今は分からない。それに何かしらロー様とこの人は関係がある…海賊同士と言う事以外に繋がりが?
でも話自体は悪くない、この人がロー様からも見返りを求めているのかもしれない。
だが今は………。

「…分かりました。そのお話、お請けします」
「ンフフフフ!いいぜ、良い目だ。契約は成立だ」

髪から手を離し、後頭部に回されると互いの距離は近付く。そして重なりあう

「んっ…っ!!んん、…ふ」

激しい口づけ、生き物のようにまさぐり絡み付く。まるで蛇のように、絡み合い離れない
抱き寄せられる強い手の力、それは言葉の如く蕩けるような口づけ。
闇の中でほの甘い何かが落ちた

(運命は回り始めた)
.
『それは悪徳に咲く華』

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