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こっちを向いてよ兎ちゃん【甘夢】






グレンという男を初めて見た時、綺麗だと思った。

16歳のガキが最年少で海軍特別医療班とかいう新しく出来た部署に配属されていきなり室長になるもんだから
当時は驚いた

まだ幼さ残る整った顔はそこいらの女なんかより綺麗で
髪も肌も雪みたいに真っ白で
気の強そうな目とふっくらした唇だけが赤くて

淡いというか
幻想的というか
消えてしまいそうで
目を奪われた

穢れを知らない子供が
大人の仮面をかぶって白衣を纏い、堂々と我々、大人達の前を歩く姿は威風堂々とし
綺麗だと思った。














グレンの後ろ姿って妙に艶かしい。
付き合い初めてから前の倍そう思うようになった

肩に垂らした右に緩く束ねた髪と白衣の襟元から覗く細い首が白いとか
白衣越しの華奢な身体とか
絶妙な柳腰とか
書類を棚に直す指とか
細い骨張った手首とか
ピアス穴まみれの耳とか
なんか全部がいとおしくて堪らない

「クザン大将、整理整頓くらいして下さいよ」

そう言いながらも書類ホルダーを整理してくれるグレンは可愛い

可愛いって言ったら怒るけど…そこも可愛いだよなぁ

いやでもこの噎せ返るような色気も堪らん

「…大将、口に出てますよ。」
「あららら」

バインダーの束を両手一杯に抱えて、俺の座った執務室の机にドンと置いた。

「……グレン君、何これ」
「貴方が未処理の書類を纏めたものですが。上から期限切れ、〆切の近いものから順に並んでいます。」


「グレン君…」
「優秀な部下の方々に感謝した方が良いですよ。この書類全部後は貴方のサインだけですから」

「寧ろ君が部下に来てくれてもいいんだけどねぇ」
「それは残念、私はつる中将の部下ですから。それに私は雑用をする為に海軍に勤めているわけではありませんよ。」

「付き合ってるのに?」
「…公私混同したくない主義なんで」

冷たいねぇ
今更お気付きで?

そんな会話をしている時だった。
控えめなノック音がしてから扉が開いた

「失礼します、グレン先生は此方にいらっしゃいますか?」
「あぁ、スー。どうした」

中に入ってきたのは若いナースだった。
淡いピンク色のミニのナース服を着たボンキュッボン黒髪の姉ちゃんが書類片手に入ってきて、グレンの隣に近寄ってきた。

「先生、今度の医学学会の論文書けました?これ、その日のタイムスケジュールです」
「あぁ…なんかそんなんあったな。めんどくさい」

「もうっ!そんなこと言っちゃ駄目ですよ。先生は医学界希望の星なんですから」
「俺そんな大した事してないし、ただの医者の端くれだよ」

「全然凄いですよ!先生が発見した不治の病と言われていた疫病の特効薬がどれだけの人を助けてるか!」

あぁ、そうか。
この姉ちゃんはグレン君が好きなんだ。
目を見れば分かる
羨望の眼差しではなく情欲を含んだ…俺と同じ目をしてる

「先生イケメンですし、雑誌社から撮影依頼来てましたよ」
「別に俺は顔で売ってるわけじゃないし…依頼断っといてよ」

「じゃあ断っときますね。」
「ありがとう」

「たこ焼きで手をうちます」
「…まぁたこ焼き屋来たらな」

なんだこれ
なんかカップルに見えなくもないんだけど…
美男美女だし
女の方は気ありだし
グレンは……無いはず

「じゃあクザン大将お邪魔してすみません。」
「あぁ、俺も戻る…クザン大将仕事して下さいよ、また仕事が一段落したら来ますから」

なんか
…なんか

カツカツッ カツカツッ!

「大将いかが…んっ!?」

ムカついた

「ん…ふっ!?んんっ…んーっ!!」
かがんで
グレンの身長に合わせて
視線を合わせ
後頭部を引き寄せて
腰に手を回して
無理矢理口付けた

さらりとした清潔な白衣の感触
薬品に混じった甘い匂い
香水か石鹸かは分からないけど良い匂いだと思った。

「んぅ…っ!ふ……ぅあっ」

男にしては柔らかい唇
いや男にキスすんのはグレンが初めてだから分かんないけど女みたいに柔らかい。
ふにふにしててあったかい
唾液すら甘く感じる
舌をいれてやったら抵抗して舌で押し返してくる

馬鹿な子だねぇ
そっちのがこっちは興奮してくんのに

舌を絡めてやれば
どちらのか分からない唾液がグレンの顎を伝っていった

…やらしー
顔真っ赤だし

こりゃ動揺してるな
そりゃあそうか
胸を力一杯叩いてくるのが可愛い
あと、脈が早いのも可愛い

なんかもう全てが可愛い
愛おしい

グレンの隣にいるナースの顔、多分面白いだろうなぁ
目真ん丸にしてさ
大好きな男が男にキスされて喘いでんだから驚かないわけないか

「はっ…ん……つっ!!」

口を解放してやれば顔を真っ赤にしたグレンが左頬にビンタが飛んできた

「おぉー痛たたた」
「う、うっさいっ!!この馬鹿!!変態!!ホモっ!!オッサン!!人の部下の前で何してやがる!!ふざけんなっ」

言うほど痛くはない
が、真っ赤になったグレンを見れば痛みも軽いものだ

「スー…戻るぞ」
「は、はい。」

グレンはチッと舌打ちを一回してから白衣を翻して
苛立った足取りで扉に向かっていった

バアンッ!

静かなる怒り
といったところか。
グレンが去った後、静かになった部屋で唇に残った感触を探すように唇に指を這わせた

あの顔は…反則じゃねぇか

グレンのあんな顔初めて見た
まぁ……他人がいたのは癪だが

「あれは…何日無視されることやら。」

でも、今満たされてる
歪んでるのか
腐ってるのか
よく分からない。

「シカトされんのは嫌だなぁ…まあ後で謝っとくか」

(こっちを向いてよ、兎ちゃん)

.

『先生愛されてますねぇー』
『なっ!!んなわけ…』
『先生がクザン大将と付き合ってんのは医療班内じゃあバレバレですよ。なので隠さなくても大丈夫です』
『……っ。誰にも言うなよ』
『言いませんって。あ、痔にはご注意を』
『まだセックスしてないっ!!しかも俺が女役!?』
『クザン大将が受けですか?それもありですね』
『…いや止めてくれ。無理だ』


*アトガキ*
初な先生が好きです(´`*)
ツンデレで恋愛経験不足な感じの子が書きたかったんです
うひひ(キモ)
いやはや自己満なものになってしまいました
駄文ですいません
次は裏かな?
微裏でもいいな
書けたら書きますっ!
勉強しますね!
では次回更新で(´д`*)

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あきゅろす。
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