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magnet【シリアス?夢】





彼と彼の関係を例えるなら磁石だろう

互いに違う性質を持っているのに
強く引かれ合う

違う色同士を塗った絵が
強く人の目を惹き付けるように
互いを打ち消すのではなく
互いを強調しあう
そんな関係じゃあなかろうか















「最近のジルベルト…なんか変わったよな」
「あぁ、なんつーか雰囲気が丸くなった。」
「いっつもつんけんしてたのに急に優しくなってね?」
「クザン大将とつるむようになってからだな」

そんな声をよく聞くようになったとグレンはいつもの白衣を翻し、廊下を歩いていた。

手には頼まれていた確認済みのずしりと重い書類の束

『またクザン大将の執務を手伝ってしまった』

グレンの頭は後悔の念が渦巻いていた

これでよかったのか
クザン大将の為にならないのではないか
いや、でもまたクザン大将が残業やら減給やらされると
会える時間が只でさえ少ないのに皆無になってしまう

そう考えると手伝った方が結果良しだろう!
「あら、グレン」
「ヒナ、久しぶりだな。」

背後には懐かしい同僚がいつものつまらなそうな顔を微笑ませ、こちらにやってきた。

「久しぶりね、ヒナ感激。何ヶ月ぶり?」
「2ヶ月ぶり。相変わらずやってるみたいで良かった。」

ヒナは自分より年上ではあるが入隊時は一緒の同期生というやつだ。
互いに進むべき道は違うし、年も離れているが今も交友を続けている数少ない友人である。

「スモーカーは?」
「彼も本部に来てるはずよ。」

「久しぶりに会いたいな。また昔みたいに三人で飲みたいもんだ」

グレンは懐かしそうにそれを言うとヒナも微笑んだ

周囲の人間にとっては普段の不機嫌モード爆裂な彼女にとって意外や意外な表情であろう

「グレンはいつも忙しそうね」
「あぁー…まぁ、自分の今日の仕事は終わってるけど…色々とな」

グレンは手に抱えた書類の束を持ち直しながら、苦笑いした。

「そう言えば、貴方…クザン大将に目をかけられてるみたいね」
「まぁ……まぁ」

こっちがあっちの世話してるんだけどな!とは言えず
俺、クザン大将と付き合ってるんだ。とも言えず、グレンは苦笑いした

「なんなのその顔は」
「…さぁ」

どうしよう俺には言えない
だが友人に嘘をつくのはいたたまれない。
グレンの脳内では静かな葛藤の攻防が繰り広げられていた。

『言っちゃえばいいんじゃね?』

まぁ、それは楽な選択だ

『ばれたらどうなるか!軍法会議もんだぞ!!』

そうなると困るな
すこぶる困る。
自分は研究をする為に此処にいる。
軍は研究費を出してくれる提供者で、提供者がいなければ自分の研究は御陀仏というわけで
簡単に言えばThe endなのだ。

「まぁ別に良いわ。グレンが幸せならそれで」
「あ、あぁ。ありがとう」

やばい
どちらともとれる回答をしてしまったと気付いた所で遅いのだが
グレンが苦笑いしているとヒナが額をピンと手袋越しの指で弾いてきた

微かな痛み

「な…何だ?」
「…グレン、変わったわね」

「そんな大差変わってない」
「変わったわよ。昔より…良い顔してる、ヒナ感激。」

『変わった』
最近よく言われる言葉だ
別に自分では然程変わりないと思っていたが、ここまで色々な人に言われると肯定せざるを得ない。

「…よく分からない。」

でも一つだけ言えるのは
「忙しい毎日だけど幸せだ」
「そう、なら良かった。」

互いに違う時間を生き
少しの会瀬しかないけれど
例え短い時間だとしても
その一瞬一瞬が幸せなのだ。

「じゃあ、またな」
「えぇ、またね」

互いに笑みを交わしあい、背を向け
互いに違う方向へ進もうと足を前に出した時だった

「首」
「へっ…?」

ヒナは自分の首筋をトントンと指で突っつく動作をした
疑問に首を傾げていたグレンだが次の瞬間顔色を変える

「首にキスマークついてるわよ」
「なっ…!え、ぁ嘘だろ!?ちょっ…」

グレンは顔を真っ赤に茹で上がらせ、窓ガラスに映る自分の首筋を焦りながら眺めた

「冗談よ」
「…つっ!!ヒナ!!」

「グレンもまだまだね」

ヒナはくすくすと笑いながら優雅に手を振り、去っていった


騙された…っ!
この俺が騙されてしまった!!
一生の不覚だ

壁に手をつき、落ち込んでいると肩を誰かに叩かれた

「なーにしてんのよ、グレン君。」
「ク、ク…クザン大将!!」

後ろを振り向けば思っていた人がいて驚いた
驚きのあまり体勢を崩してしまった。

いつもの高飛車で冷徹な医者はそこにはおらず、ただの挙動不審な男が一人
『恋人』に胸を高鳴らせていた。

「びっ、吃驚するじゃないですか!いきなり声をかけないで下さいよ!!」
「いやぁ〜…そこまで驚くとは思わないじゃない。まぁ、ごめんごめん」

絶対謝る気ないだろこの人!!
グレンは白衣の乱れをシュッと直して、眼鏡をかけ直した

「…それでは、クザン大将。私は今からセンゴク元帥の所に参らねばなりませんので失礼します」

仮にも職場では相手方は上司の上の立場にいる男である
いくら付き合っているとはいえ、馴れ馴れしく接する事はできない。

この古く偏った伝統と思考を持つ職場では男同士で付き合っているなど以ての他ならないのだ。
しかも互いに立場ある立ち位置にいる。
ばれれば首が飛ぶやもしれないのだ

「じゃあまた後で」
「はい」

クザンもそこら辺は弁えているのかあっさりと去っていった。

グレンは白衣を翻し、彼とは違う方向へ向かう















「センゴク元帥、ジルベルト・グレン特別医療班室長参りました。」
「入れ」扉の前にいた海兵に扉を開けられ、中に入るよう促されるとグレンは白衣を翻し中に入った。

「失礼します。お呼びでしょうか、センゴク元帥」
「あぁ…まぁ、座れ。」

自分の執務室より豪華な部屋の素敵な革張りのソファーに腰を下ろすとグレンはずれた眼鏡を上げた

「で、一体ご用件はなんでしょうか?」
「実はお前に昇進の話が出ている。」

「…それは上からですか?」
「そうだ。先日お前が学会に発表し、自ら足を運び患者を治療した未知の伝染病の特効薬が認められた。賞状と金一封、そして二階級特進と異例中の異例でその話がでてる」


二年前だろうか、ある国で300人の犠牲者を出した未知の伝染病が猛威を奮った。
それの特効薬開発、及び治療の依頼が来て
その研究がついこの間終了したのだ

治療薬を開発をし、自ら国に足を運び、患者の治療にあたった。
根絶とまではいかないが、伝染病の猛威は治まり、患者の病状も良い方向へ向かっている
手遅れの患者が数人死亡した時は気落ちもしたが、どうやら周囲の評価は高かったようだ。

「私だけの手柄ではないですがね。部下の皆がサポートしてくれたからです」
「それでもだ、お前の名前は海軍本部以外でも知名度は上がってきている。そんな男が海軍本部中佐相当官では名が栄えん」

26歳で海軍本部中佐というのも相当だが准将とは相当も大概なものである

「センゴク元帥、私は医者です。『研究援助』が頂けるという事で軍に入る事を受けたのです。それ以外は何もありません」

地位が欲しくて命を助けているわけではない
自分の『病気』に効く特効薬、治療法を発見する為にいるのだ。

他に何もない

「…そう言えば、ジルベルト。最近青雉とよくつるんでいるらしいが」
「……だったら何ですか。」

疑われているのか?
自分とクザン大将の関係が。

長い歴史を持つ組織、寧ろ昔の考えを持つ人間が上層部に多いこの海軍では同性愛者ということは自分のキャリアにマイナスになる。

「お前はつる中将の部下だろう」
「…えぇ」

「何故最近青雉と関わっている」
「いけませんか?大将青雉はつる中将との仲が良い。私と関わる事は別に不自然な話ではないと思いますが…疚しいことは一切ありません」

疚しいことはない
…疚しいことは…ない筈だ。

肉体関係にあるわけではない
キス止まりの関係である

「昇格のお話ですが、少し考えさせて下さい。准将との地位を頂くとなると私の生活も変わってきますから」

グレンは薄く社交辞令の微笑を浮かべるとソファーから立ち上がった。

「あと、私は男でも女でも特定の人間以外興味が湧かないんです。」

自分は遠回しにこう言った
ノンケでもホモセクシャルでもないと

グレンの笑みは妖しげで高慢に見えた
全てを見透かしたような深紅の目でセンゴクを一度見ると執務室を出た。

「っ…なんて問題児だ。青雉やスモーカーだけでも苦労しているというのに」

グレンの医者としての能力、頭脳は認めているセンゴクにとって性格的な問題は難題としか言い様が無かった。

これを除けば完璧なのに
だが完璧でないのが人間である。

自分で自問自答し、深くため息を吐いた















昇進
普通の海兵なら喜ばしい事だろう。
自分の行いが素晴らしい結果だと高く評価されるのだから

だが、自分はどうだ?
『海軍』というものに誇りはないし、名誉な事をした覚えはない。

『分からない』『無理』『諦める』と言う言葉が一番嫌いなだけだ。
難題と言われる事には全て全力で解きにかかる質なのだ。

だから、13歳の誕生日を迎えた頃には医者の免許を取っていたし、誰よりも早く子供を卒業し、医学を学んだのだ。

だから、海軍からの誘いを受け、軍医をしている
自分の研究資金の援助を貰うために

でなければここにはいない。

「准将ねぇ…」

海軍本部准将に昇格すれば、この若さでは異例の出世だ
年上だが同期であるヒナを追い抜き、スモーカーと同じ位置に立つことができる。

だがそれなりに忙しくはなるだろう
今でさえギリギリの生活をしているのだ。
いつか研究成果も出せないまま過労で死んでしまうかもしれない

そう考えるとため息が出てしまう。

海軍の背負う『正義』など自分には持ち合わせがないのだ

「グレン」
「つる中将」

そんな時、ふと廊下でつる中将と出会った
仮にも自分の上司であり、何かと恩人でもある女性なので接し方も少なからず変わってくる。

「ちょっと良いかい」
「はっ」

つる中将の小さな背中を追うように歩いた
もう良いお年だろう
だが年を感じさせない姿勢の良さはつる中将の歴史を感じるものがあった。

歩きながら中将は口を開いた

「グレン」
「はい」

「昇格の話はセンゴクに聞いたね」
「はい」

「何故すぐに返事をしなかった?」
「…出世に興味がないだけです。だから今悩んでいるんです。」

つるは足を止め、グレンと向き合った。
身長的にグレンの方が背が高いので自然と見下ろす形になる

「あんたそれでいいのかい?」
「…どういう意味ですか」

「今のままじゃ、あんたと…青雉の今の関係は保てないよ」
「……それは私とあの人の問題です。ちゃんと決断はします。つる中将自ら心配していただかなくても…」

「センゴクは年だ。何れは次世代の人間に世代交替しなければいけない時がくる。多分センゴクは…青雉を推薦するだろう」

“そうなればあんたとの距離は大きく変わるだろう”

つるはそう言い終えるとグレンに背を向けた。

「あたしが言えるのはここまでだよ。後はあんたが考えることだ」

そう言ってさっさと廊下を歩いていってしまった

肩にかけた『正義』を背負った白い軍服がやけに目に焼き付いた。













分かっている
いつまでも一緒になんていられない
別れというのは必ずある。

俺とクザン大将の関係は極めて不安定だ。
いつ崩れてもおかしくないのだ
況してやどちらもそれなりに立場ある人間で
男同士で
どちらも軍人で
周囲には秘密の関係だ。

いつ別れが来るかなんて分からない
いつ来ても可笑しくないのだ

そう思うと不安が心に込み上げてきた。


『俺が立っている場所はあの人の隣に立てる場所じゃない』

近くにいても
実は遠い存在なのだ
プライベートは関係ない
あの場所では互いに違い過ぎている。

カツ カツ カツ カツ

『距離は大きく変わる…か』

自分はクザン大将を愛しているのかすら分からないのに展開は早い。

そもそも愛とはなんだ?
両親との思い出一つない自分に。

誰かに愛された事がない自分に他人を愛せるのか?

他人に興味など湧かない自分に他人を好きになる権利はあるのか?

確かに義父母は愛してくれたのかもしれない
だが、どこか壁があった。
見えない壁に挟まれ、接しているような違和感があった

果たしてあれを愛と呼べるのかと問われればきっと答えられないだろう

『愛ってなんだ』

考えれば考えるほど淀みにはまっていくようだ。
グレンは自分の研究室の扉の前でしばらく固まっていた

『……分からない。』

自分はクザン大将を愛している?

嫌いではない
寧ろ好きに近い。
愛していると聞かれたら頷ける

ならその愛の為にどこまで犠牲になれるか?
今より更に拘束された生活を送れる?

その愛はその犠牲より価値があるのか?

不安定で
いつ壊れるか分からないものの為に己はどこまで変われる?

『変わらなきゃ…一緒にいられない』

自分が近づかなければ
一緒にはいられない

「……。」

自問自答を繰り返し、グレンは何かに気付いたように俯いていた顔を開け、扉を開けた。

「あら、先生。お帰りなさい」
「随分遅かったじゃないの。センゴクさんに呼ばれてたんだって?グレン君、何かしたの」

そこには部下である看護婦兼研究員のスーとクザン大将がいた。

優雅に茶を啜っているではないか
こちらがこんなに迷って悩んで苦しんでいるというのに悠長なものである。

「…何してるんですか。クザン大将」
「グレン君に会いに来たらいないんで待ってた。」

嬉しい事だが今は苛立ちの種でしかない
グレンは扉を閉め、クザンの前まで歩みを進めた

「……少し二人で話せますか。」
「じゃあ場所を変えようか」

クザンは何かを察したらしく、啜っていた湯飲みを机に置いて立ち上がった。

「スー、少し出てくる。」
「分かりました」

全く物わかりの良い人間ばかりだ。
グレンはスーに少しだけ微笑むと白衣を翻し、クザンと二人出ていった。














二人が辿り着いたのは屋上だ
今は昼食の時間帯なだけにがらりと静かだ。
快晴なだけに空と海はいつもの如く広がり、美しい風景である
二人は手すりに身体を凭れ、景色を見ながら二人並んだ

「クザン大将」
「ん〜。」

「私達、いつまでこの関係でいられますかね」
「…難しい事聞くねぇ」

グレンはおもむろにスラックスの右ポケットに手を突っ込んだ。

ポケットに入っていたのは煙草の入ったシガーケースとマッチを取り出して、手慣れた手つきで煙草に火を点けた

口に銜えて白煙を口に溜め込み、それをゆるりと口から吐き出す。
吐き出された煙は空に浮かぶ雲の如く白かった。

吸い慣れた味
たまに恋しくなる味
この人みたいに

「…グレン君、煙草吸うんだ。」
「……えぇ、たまに。」

ふと気付いた
自分達は互いの事を深く知らない。

「私達…案外お互いの事を知りませんね。」
「俺は意外とグレン君のこと知ってるけどね」

煙草吸うのは知らなかったけどさと言うと、クザンはグレンを見てにやりと笑った

「じゃあ俺だけが貴方をちゃんと知らなかったのか…」
「別に良いじゃないの。今から知れば」

それもそうだ
グレンは白煙を吐き出すとクザンに顔を向き合わせた

「グレン君、煙草吸う姿がやらしい」
「…あほな事言わんで下さい。良いですか、クザン大将!!」

グレンは煙草を片手にクザンに手招きをした

屈めという身振りである
クザンは今までに何度かそれを見ているので従順に腰を折って、屈んでやった

目線が同じ位置に来るとグレンは自分からクザンに口付けた。
クザンは一瞬驚いたが、顔を真っ赤にして慣れないキスをするグレンの健気さに可愛さを覚える

彼は紛れもなく男だ
女とも見間違う端正な顔立ちをしているが自分と同性の人間で
背丈は自分より小柄だが年代的に標準の身長だろう。

身体もすらりとしなやかで細いのだか女特有の柔らかさはない。

今まで女性経験しかなかったのだが、それでも惹かれたのだ
ジルベルト・グレンという人間に。

それはどうしようもなく…理由がつけられないくらい

辿々しい触れるだけの口付けをグレンはすると、唇を離した。

「……クザン大将」
「なに」

「俺は貴方が好きです。」
「俺も好きだよ」

「今まで他人に興味を示さなかった自分が今では貴方を愛してきている」
「それは…嬉しいね」

クザンは茶化す事なくグレンの告白に頷いていた。

「でも今のままではいつまでも貴方と一緒にはいられない。」

愛の告白がいきなり深刻なものに変わった
クザンはその変化に気付いた
いつの間にかグレンが煙草を置き付けの灰皿に捨て、自分をまっすぐにと見ていたからだ

「貴方は海軍本部大将。私はしがない軍医です」

中佐相当官と言った所で
只の医者

普通の海兵からどれだけ嫌味や妬み事を言われたか分からない

「だから…俺は」

でも、自分の『夢』の為に強くなった。
13歳だったあの頃から
小さな田舎の少年は
自分の野望の為にあらゆる苦汁を味わいながら今この場所に立っている。

その為にどんなものも捨ててきたのだ。

「貴方の隣に立って見せます…っ!!必ず貴方の隣に!」

だからもう何も怖くない
今はこの人の隣にいたい。

グレンは柄にも無く大きな声を出していた。
感情の起伏があまり激しくはない彼が大声を出すのは珍しい。
大声を前に出したのはもう随分昔の事だった

「貴方が…好きです。好きなんです…っ」

これが『愛』という感情なのかは分からない
だけれど、これを『恋』と人は呼ぶのだろう

「グレン君…涙。」
クザンはグレンの目尻を指でなぞった。
指は涙でしっとりと濡れていた。

「……っ。」

俺…泣けるんだ
次から次へと流れ落ちる涙の感触にグレンは発見を覚えていた

「本当に兎みたいじゃないの…目赤くなってる」

クザンはそう言ってグレンを抱き寄せた。

広くて温かい、筋肉質なその胸の感触にグレンはまた涙が顎を伝い落ちていった。

「…俺…出世しますよ」
「まぁ、焦りなさんな。ゆっくりで良いから」

『待ってるから』

グレンは初めて他人の胸の中に収まり、泣いた。
声は上げなかった
彼のプライドがそれを許さなかったのだ


頭を撫でられ
髪を撫でられ
力一杯抱き締められた
それはグレンにとって初めての事で戸惑いながらもおずおずとクザンの背中に手を回した。

「クザン大将…人に見られたらどう説明するつもりですか」
「んんー…まぁ、その時はその時で良いんじゃない?別に」

互いは何も言わずにまたキスを今度は深く、絡み付くように
深く 深く 口付けた。

.
(それは強く惹かれ合う違う色を持ったmagnetのようで)

翌日彼はセンゴクに返事を出した。
勿論答えはイエスであった。
彼は愛する人の為に地位を獲得する事を選んだ
それが茨の道だろうと死に物狂いで自分は歩いていけるだろうと確信して。

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