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ときめき★エクスプレス -恋の暴走列車-
B
はぁ〜……疲れたなぁ……


私はひとりぼっちで歩いていた。
帰り道。やっぱりあたりは暗くなってたけど、今日は歩き。
というのも、西園寺さんに例の怖〜い笑顔で、ひとりで帰れるって言わされたから。

せっかく城ヶ崎センパイが送ってくれるって言ってたのになぁ……

西園寺さんはと言えば、今日に限ってなぜか迎えの車が来ないらしくて、結局城ヶ崎センパイの車に送っていってもらってた。

これって絶対計画的だよね……

というわけで、城ヶ崎センパイによけいな心配かけたくないから、私は結局ひとりで帰ることにしたのでした。
いっつも一人で歩いて帰ってるんだから、なんの問題もないはずだったんだけど……
なんだか暗くなってからの道はいつもとは違って見えて、少し心細い。
やっと家が見えてきた時はちょっとほっとした。
だけど、ほっとした理由はそれだけじゃなかった。


「……あれ?秀…ちゃん?」


家の前に立っていた男の人がこっちを振り返った。


「あ、深雪ちゃん。久しぶり」


確かに秀ちゃんだ。久しぶりに見る秀ちゃんは、なんだか大人っぽくて、私はちょっぴりドキッとした。

どこも変わってないと思うんだけどなぁ……

じっと見ていると、秀ちゃんのめがねごしに目があって、私は思わず目をそらした。
こんな風にじろじろ見てたら変に思われちゃう。


「…ぁ、あの……今日はどうしたの?家の前で立ってるなんて。中に入ればいいのに」

「うん。ミツ待ってるんだ。すぐ帰ってくるって言ってたから外で待ってたんだけど……あいつのすぐはあてにならないな……」


私はお兄ちゃんの顔を思い浮かべた。確かに。お兄ちゃんは時間にルーズなところがある。
なんでも、男が一分や二分や、五分や三十分なんて気にしちゃいけないんだそーだ。
かわいそうな秀ちゃん。秀ちゃんはいつだって約束の五分前には待ち合わせ場所で待ってるのに。


「それにしても、深雪ちゃん今日は遅くない?部活とかやってたっけ?」

「ううん。部活じゃなくて、生徒会。ちょっといろいろあって、生徒会の用事手伝ってるんだ」


秀ちゃんはうんうんとうなずいた。


「高校生の間はなんでもやってみないとね。
でも……なんか楽しくなさそうだけど、そういうのは楽しんでやらないと面倒くさいだけだよ?」


私ってそんなに顔に出るのかな……
私はこっそり苦笑いした。

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