優しい君は残酷だ ※ 「ねぇ明日買い物に行かない?」 食べ終えた食器を 洗い終わった時に仁さんから そう言われて一瞬固まってしまう。 「…」 「ダメ?」 「あ、いえ大丈夫です!!」 正直驚いた。 誘われるなんて 思ってもみなかった。 そう この人…仁さんは幹さんじゃない。 そう思っても今まで俺の基準が 幹さんになってるから、無意識に 比べてしまうのは仕方ない事だろう。 あまりにも言葉掛けや 視線や接し方が違いすぎて 混乱してしまう。 「じゃ、お風呂 先に借りるね。 また明日おやすみ。」 「はい。 おやすみなさい!」 “おやすみ”か…。 こんな些細な言葉でさえも 嬉しいと感じる。 まだ始まったばかりの この幸せを長く…続くように 頑張らないと。 [*前へ][次へ#] [戻る] |