優しい君は残酷だ
*
あれ?
ここはどこだろう。
見覚えのない天井に部屋。
そしてどこか落ち着くこの匂い…。
確か俺は公園にいたはずなのに
今はふかふかのベッドにいる。
もしかして、さらわれた…?
ーガチャッー
そんなことを
思っていたのもあって
扉が開く音に反応してしまう。
「起きたんだね。
良かった、頭大丈夫?」
そこにいたのは
笑顔が綺麗なお兄さんだった。
「えっと…俺は?」
「頭をうって気を失ったんだよ。
あのままにしておくのもどうかと思って勝手に連れてきたんだけど
ごめんね?」
俺の所にたどり着き、
そう言って首を傾げる。
それだけの動作なのに
“綺麗”だと思った。
そして儚いとー……。
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