優しい君は残酷だ
※
「ねぇ明日買い物に行かない?」
食べ終えた食器を
洗い終わった時に仁さんから
そう言われて一瞬固まってしまう。
「…」
「ダメ?」
「あ、いえ大丈夫です!!」
正直驚いた。
誘われるなんて
思ってもみなかった。
そう
この人…仁さんは幹さんじゃない。
そう思っても今まで俺の基準が
幹さんになってるから、無意識に
比べてしまうのは仕方ない事だろう。
あまりにも言葉掛けや
視線や接し方が違いすぎて
混乱してしまう。
「じゃ、お風呂
先に借りるね。
また明日おやすみ。」
「はい。
おやすみなさい!」
“おやすみ”か…。
こんな些細な言葉でさえも
嬉しいと感じる。
まだ始まったばかりの
この幸せを長く…続くように
頑張らないと。
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