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優しい君は残酷だ




突然と飛び出してきた
俺に驚いたのかお兄さんは
少し戸惑ってるようにみえる。


「あ、すみません
いきなり…。」


「いや、大丈夫だよ
ただ、いつも1人だったから
こうして出迎えられたのが
久々で驚いただけだよ。」


話ししてるお兄さんはどこか
寂しそうに感じた。
だけど最後には


「ただいま」


と優しく
綺麗な笑顔を
俺にむけた。



「あ、あの勝手ながら
夕飯を作ったんですけど…
その…」


どうしよう、今更もし
『お兄さんが食べてきたなら』
なんて考えてしまった。
そうすれば、勝手にご飯をつくって
待ってるなんて…お兄さんからすれば
俺がやっていることは迷惑なことになる。


でも、
お兄さんなら優しいから
食べてきたとしても食べるよ
と言うかもしれない。

聞いてから作ればよかった
気づくの遅すぎだろ自分。


勝手に何かをするなんて
ダメだ、俺はお兄さんが
雇ってくれたのに……
これじゃまた……。


「君!!」


「え、あはい!!」


「大丈夫?
なんか顔色悪いけど?」


「あ、すみません
大丈夫です!」


「あと、夕飯
一緒に食べようか!」


そう言ってリビングに向かう。


「あ、あの
もし食べてきたなら
無理には……。」


「…食べてなくて
お腹空いてるよ?」


そう言うとお腹に手を
あて、「もうペコペコだ 」
とはにかんだような笑顔を
みせる。



ドクン


あぁ。
まただ。


この人は優しい。


その優しさに
無性に泣きたくなる…。




「はい。
では、準備しますね」



「じゃ、着替えてくるね」



「はい!」



部屋に向かうお兄さんの
背中に小さく「ありがとうございます…」
そう呟いた…。











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